金色の楽譜

□溜め息(月森×日野)
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「おっす、日野」
いつもの様に私を見掛けると声をかけてくる土浦君は側に来てギョッとする
「どした?日野。機嫌悪そうだな」
そう、今私はあまり機嫌が良くない
なぜなら、数分前――

【溜め息】


「おはよう。月森くん」
音楽科の月森くんとは校舎も昇降口も違う為登校しても滅多に顔をあわせない
そんな人が今朝は目の前を歩いていた
だから挨拶をしてみた
なのに
「……」
無言で睨むだけ――


そんな訳で朝一からテンション下り気味
同じコンクール出場者だし仲良くやりたいのが本音だから軽く挨拶したのに
何も睨まなくったって


「何かあったのか?」
先程の出来事を知らない土浦君は私を気遣い言葉を発する
「別に大した事じゃないんだけどね…月森くんてどうしていつも私が声をかけると睨むのかなって思って」
すると直ぐ様答えを返す土浦
「…あいつは誰にでもそうだろ」

何と無くそっけない返事
「そう気にすんなって」


気にしてるつもりはないけど同じコンクール参加者としては仲良くしたいのが心情
初めて会った時は綺麗な顔立ちの子だなってふと思った
ただそれだけ――だった

けど
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