愛しき人へ
□亡き君へ
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涙を拭って歩くしかなかった
ただそれだけが今の自分に出来ること
もう君は居ないから
この胸の中で生き続けると
君は言った
まるで自分の運命を悟ったかのように
君の見せる笑顔が
何よりも切なく愛しく
何も出来ない自分が憎かった
もう二度と君の声は聞けない
あの手を握ることも
抱きしめることも
君の存在をまた確認することもできない
だけど歩くしかない
君をこの胸の中に刻み付けて
ただ生きるしかなかった
君の分まで
少しでも長くこの命の光を灯すことが
君に贈る最後の愛だから