novel

□宣戦布告?
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いきなりだが…
セルと悟空は、セルゲームを控えた七日前に真っ向から睨み合っていた。
悟空はちょうど悟飯と時の部屋から出て来たばかりで、トランクスらに話を聞き、こうしてセルの前に瞬間移動で現れたわけだが…
それは以前の話し。
ここに来たのは二回目だった。
そして単刀直入に、
「オラじゃお前には勝てねぇ、それは認めよう」
セルを目の前に、悟空は弱音ともとれる発言をなんとはなしにしていた。
セルはほとんど動かずに、二・三日前に作り上げたリングの上に、仁王立ちになって悟空の話を聞いている。
だが今の発言に、セルの目がわずかながら細見を帯びた。
「ほう?言ってる意味が分からんが?」
「そうか?単直に言うと、オラがお前を倒すんじゃねぇ。俺の仲間の中にお前を倒す奴がいるんだ」
セルの眉が、ピクリと動く。
「だから、覚悟しておいた方がいいぜ」
へへっ
悟空は不敵にも笑って見せる。
セルにはそれが気にいらなかった。
悟空の言っている相手に対してではなく、悟空自信になぜかやたらと腹が立つ。
この感情はいったい何だ?
「孫悟空」
「ん?何だ?」
腕組みをしたまま、やおら自信に満ちた顔でセルは言う。
「私はお前と戦いたいんだ、他の奴など知った事じゃない」
お前にしか興味がわかない…
セルの瞳が、そう語る。
だが、悟空も食い下がらないわけにはいかない。
「っつってもなぁ〜、オラじゃオメェを倒せないかんなぁ〜」
悪いけど無理
いったん言葉を切った悟空の瞳に、申し訳なさそうな表情が見てとれた。
「私直々のお誘いなんだが、それでも棒に振ると言うのか?」
ある意味告白めいた台紙だが、悟空は決して揺るがない。
「………残念だな」
セルの口から溜め息が漏れた。
「だが私とは、少なからずとも戦ってくれるのだろう?」
私は貴様とだけ戦いたいのだから
再度瞳で語られて、流石に悟空もうなずいた。
「………分かったよ。ちょっとくらいなら相手してやるからさ」
そんな怖い顔すんな
笑って誤魔化す悟空にセルは瞬間最高速度で間合いを詰めた。
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