04/13の日記

10:32
(パラレル)頭の弱いゾロとサンジ
---------------
さくらひらひら





風が一段と強い日。
満開の桜花はその花弁を惜しみなく散らし、歩く人々の視界を桃色に染めた。


「あら?あんた桜まみれよ!?」

「いいんだ」

「やめとけ、ナミ、ろくなことないぞ」


降り注いだ桜を払う事なく、全身に張りつかせたまま登校して来たゾロ。
それに驚いたナミが話し掛けたが、ゾロはどこかそわそわしている。
ウソップはその妙な仕草に嫌な予感しかせず、ナミに忠告した。


「ゾロがこんな顔してんだ、想像できるだろ」

「あ……うーん、でも理由が全く想像できないわね」

「それは確かに」


ウソップとナミがこそこそと話しているうちに、ゾロが桜まみれの謎を解く人物が登校してきた。


「おはよう!」


教室に入ると同時に、爽やか過ぎる笑みで挨拶したサンジ。
すれ違うクラスメイトにも挨拶しながら自分の席へ向かう。
ウソップの前でゾロの隣だ。。
ちなみにナミはウソップの隣である。
ゾロにも挨拶したところで瞳を輝かせて一際笑みを柔らかくした。


「あ!ゾロ今日も葉桜だ!」

「おう」

「「ちょっと待て」」


ナミとウソップが同時に突っ込む。


「葉桜ってどういうこと?」

「ナミさんおはようございます!!今日もお美しいですぅううう!!鼻もおはよう」

「差がありすぎるだろ」

「葉桜っていうのは、まんまゾロの髪と桜の花びらのことなんだ」

「無視かよ…」

「実際花が散ったあとの桜のことだけどさ、こっちの色合いのが名前にあってない?」


自らの金髪にも負けないくらいの眩しい笑顔でそう言った。
ナミとウソップは“今日も“って言ったってことは今日以前にも同じような状況だったわけで、それを再現するためにゾロはわざわざ桜まみれのまま登校してきた。
サンジの笑顔を見るために。
二人の予想は正しくその通りであり、ゾロはサンジを見て嬉しそうにしている。


「あ、サンジもついてる」

「え?どこどこ?」


サンジの髪にも花弁が散っていた。
払おうとしたサンジの手を止めて、ゾロはおもむろに携帯を取りだすと、写真を撮った。


「見ろ、ハート型だ、似合ってるぞ」

「本当だー!!可愛いなぁ」


しっかり保存してからサンジに見せ、お互いに桜の花びらで遊び始める。
後ろから眺めていたウソップとナミはもう二人を視界から外した。


「年がら年中春だっていうのに、勘弁してほしいわ」

「あいつらには見えてるもんが違うんだろうよ」


ナミとウソップがそれぞれ溜息をついたあと、ゾロ以上に桜まみれになったルフィが登校してきた。
教室中が桜まみれになり、皆で掃除することになってしまってもゾロとサンジだけは花びらを払っても桃色のオーラに包まれていた。


「あいつらも一緒に払ってしまいたいわ」

「ナミにも桜やる!」

「え!?」


おわり



こっそりルナミ強化月間。

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ