03/14の日記

10:54
サンジ
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ホワイトデー





「おい、これやる」

「……なに」


まだ誰も起きていない、日も昇ったばかりの時刻。
サンジはいつも通り起き、ラウンジへ向かいドアを開けた。
その前にゾロが仁王立ちで立っていた。
サンジは危うく心臓が止まるところだった。


「見りゃわかるだろ」

「………」


ゾロが差し出しているものが、包装された箱であることは間違いないのだが、中身まではわからない。
しかしその箱は一ヵ月前に寄港した島の店々で目にしたものだ。


「早く受け取れ」

「はい」


早朝からの鬼気迫った顔に圧倒され思わず受け取った。


「よし!これが俺の返事だ!」


満足そうに宣言し、飯まで寝ると言ってラウンジから出ていった。

残されたサンジは手渡された箱とドアを見たあと、カレンダーを見た。
この箱が意味することはわかったが、渡された理由がわからない。


「…いやいやいやいやいや、そんなまさか!」


思わず乾いた笑いが出る。

確かに一ヵ月前、クルー全員にプレゼントしたものがある。
たいていの場合、今日はそれらのお返しを渡す日だ。


「だからってなぁ…野郎どもの分は大皿に乗っけただけだし…」


もちろんナミとビビには特別凝ったものをあげた。
今日も二人には同じように凝ったものを振る舞うつもりである。
先月もらったわけではないが、素敵な笑顔をいただいたお礼にと(以下略)

そんなわけで、一連の流れは理解できても、ゾロがその箱を渡す理由にはならない。


「ん、待て、待てよ…あいつ去りぎわになんか言ってたな…」


俺の返事。

一般的にこの日お返しを用意する意味は…。


「!?」


サンジは慌て箱の中身を見るべく包みを剥がした。
恐る恐る箱を開けて出てきたのは、まさかとは思ったハート型クッキー。
苺味なのかピンク色である。


「ぇええええええ」





おわり


「いや、俺渡してねぇから」で受け取り拒否するサンジverもあったんですが、短すぎたんでちょっと長く…
そしたら余計にゾロがアホになってしまった気がします(´`;)

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