silver

相愛
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そんな事されたら、
「だったら理由を言わずに遅返りするんじゃねぇ!!」なんて言って責める事が出来ねぇじゃねぇか。


「阿呆…」


とりあえず泣きたいだけ泣いて、ひたすら寂しかったんだと訴えて、辰馬をばこばこ殴った。








「コーヒーのむ?」

暫くして泣きやんだ後、辰馬がそう聞いて来る。
「自分でやる」
そう言って立とうとすると、足下がふらつく。
ずっと同じ格好で居たのが悪かったのだろう。
「大丈夫か?わしがやるぜよ〜」
「いいって……ぅわ」
自分で自分の足につまづいて転ぶ。
辰馬がキャッチしてくれなかったら顔面強打だ。



「たつ」
「晋助は座っててええよ」
「でも…」
「ずっと泣いててヘトヘトじゃろ?わしのせいじゃからわしがやるきに」
「…わかった」




カップを出して、お湯を沸かしている辰馬に、「なんで理由を言わないんだ」と聞こうかどうか迷ったが、結局言えない…。

でも、聞いて浮気だったらどうしよう。
嫌われたりしたら?
あぁぁもう……。





「助……晋助〜?」
「うわっ!?何だよいきなり」
「いきなりじゃないろ〜。さっきから呼んどるんじゃけど…大丈夫か?」
「あぁ…悪い」
全然気付かなかった。

「ほいでの、晋助」

「なんだよ?」
「はいこれ!!」

そう言って差し出された物は、小さい白いボックス。

「これ、なんだよ…?」
「ええから、開けてみぃ?」

言われた通りに開けてみると、何やら綺麗な宝石のついた指輪が入っていた。
「どうじゃ?」
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