silver

結構なんだかんだでアレなんだよね。うん。
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「豆まきをしよう」

そう言い出したのは誰だったっけ。
まぁ、楽しいからいいけど。

節分だからってんで、四人揃ってなんか豆まきしてる。

面白いから、辰馬と銀時には鬼の格好をさせて。

「鬼は外〜」
バシッ
「痛っ!こりゃ金時!力加減しぃ!」
「銀時だって言ってんだろ〜がっ!」
バシバシバシッ!

やる気がなさそうな銀時は、辰馬に豆を投げ付ける時だけ目が輝いている。
お前Sだったのか。

「高杉〜助けて〜」
「頑張れよ〜辰馬ァ」
辰馬は既に半泣きになっている。
まぁ、いいんだけど。

「銀時、あまり坂本にぶつけ過ぎるな」
「おぉ…ヅラ…!」
「坂本に当て過ぎたら豆がもったいないでしょうがあぁぁっ!」
「結局豆かいぃっ!!…なんじゃ、なんじゃ!皆してっ」

そう言うと、辰馬はぷんっとそっぽを向いて、いじけてしまった。

「わしばっかし…酷いぜよ…」
「辰馬ァ」

でかい図体のくせに、体育座りをして地面に丸を書いてる辰馬に話し掛ける。

「…なんじゃ?」
じと〜っと少し恨みのこもった目でこっちを見上げる。
助けなかったのは悪かったけどよ。

「口開けろよ」
「嫌じゃ」


「…ぅぅ」

強引に開けた口に、黒い物をぶち込む。
「……!」
「坂本、喋るなよ?福が逃げるぞ」

それはいけないと、こくこくと必死に頷く。
恵方巻きは、無言で食べなければいけないのだ。

「ヅラ〜俺の恵方巻きは〜?」
「俺の分もなァ」
「自分で取れ」

四人揃って並んで、ひたすら無言で恵方巻きを食べる。

えらくそれが幸せに思える。


「また来年もやりたいのぅ」
「あ?来年もかよ」
「まぁ、いいかも知れないな」
「じゃあ、来年は高杉とヅラが鬼な」
「やらねぇよ」
「いいんじゃないか?」

鬼パンツは着ないからな。
絶対。

「今年も、いい年になりますよ〜に」
ぱんぱん、と手を叩いてお祈りする辰馬に倣って、皆で祈る。

もし、神ってのが居るんなら
明日がすぐにやってくるように
来年もすぐにやってきて、また皆で集まれたらいい。
とりあえず祈ってやるよ。

来年も、再来年も、こいつらと……。

なんか、恥ずかしい事を考えている気がする………。



「高杉ぃぃぃっ!好きじゃぁぁぁっ!」
「何叫んでんだてめぇはっ!!!」

いきなり叫ぶ辰馬を、ごつん と殴りつける。

「ここは、叫ぶシチュエーションなんじゃよ!」
「あぁ?」

「糖分をくれぇぇぇっ!!」
「エリザベスゥゥゥ!!!」
「てめぇらもかっ!」



もう……まぁ……いいや。
 

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