silver
□結構なんだかんだでアレなんだよね。うん。
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「豆まきをしよう」
そう言い出したのは誰だったっけ。
まぁ、楽しいからいいけど。
節分だからってんで、四人揃ってなんか豆まきしてる。
面白いから、辰馬と銀時には鬼の格好をさせて。
「鬼は外〜」
バシッ
「痛っ!こりゃ金時!力加減しぃ!」
「銀時だって言ってんだろ〜がっ!」
バシバシバシッ!
やる気がなさそうな銀時は、辰馬に豆を投げ付ける時だけ目が輝いている。
お前Sだったのか。
「高杉〜助けて〜」
「頑張れよ〜辰馬ァ」
辰馬は既に半泣きになっている。
まぁ、いいんだけど。
「銀時、あまり坂本にぶつけ過ぎるな」
「おぉ…ヅラ…!」
「坂本に当て過ぎたら豆がもったいないでしょうがあぁぁっ!」
「結局豆かいぃっ!!…なんじゃ、なんじゃ!皆してっ」
そう言うと、辰馬はぷんっとそっぽを向いて、いじけてしまった。
「わしばっかし…酷いぜよ…」
「辰馬ァ」
でかい図体のくせに、体育座りをして地面に丸を書いてる辰馬に話し掛ける。
「…なんじゃ?」
じと〜っと少し恨みのこもった目でこっちを見上げる。
助けなかったのは悪かったけどよ。
「口開けろよ」
「嫌じゃ」
「
「…ぅぅ」
強引に開けた口に、黒い物をぶち込む。
「……!」
「坂本、喋るなよ?福が逃げるぞ」
それはいけないと、こくこくと必死に頷く。
恵方巻きは、無言で食べなければいけないのだ。
「ヅラ〜俺の恵方巻きは〜?」
「俺の分もなァ」
「自分で取れ」
四人揃って並んで、ひたすら無言で恵方巻きを食べる。
えらくそれが幸せに思える。
「また来年もやりたいのぅ」
「あ?来年もかよ」
「まぁ、いいかも知れないな」
「じゃあ、来年は高杉とヅラが鬼な」
「やらねぇよ」
「いいんじゃないか?」
鬼パンツは着ないからな。
絶対。
「今年も、いい年になりますよ〜に」
ぱんぱん、と手を叩いてお祈りする辰馬に倣って、皆で祈る。
もし、神ってのが居るんなら
明日がすぐにやってくるように
来年もすぐにやってきて、また皆で集まれたらいい。
とりあえず祈ってやるよ。
来年も、再来年も、こいつらと……。
なんか、恥ずかしい事を考えている気がする………。
「高杉ぃぃぃっ!好きじゃぁぁぁっ!」
「何叫んでんだてめぇはっ!!!」
いきなり叫ぶ辰馬を、ごつん と殴りつける。
「ここは、叫ぶシチュエーションなんじゃよ!」
「あぁ?」
「糖分をくれぇぇぇっ!!」
「エリザベスゥゥゥ!!!」
「てめぇらもかっ!」
もう……まぁ……いいや。