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□神楽お嬢様の行動
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ある所に、神楽お嬢様という可愛らしい女の子がおりました。
いつも赤いドレスを着てレースの日傘を持って居ます。
「坂田!坂田はいないアルか?」
坂田というのは、神楽お嬢様専属の執事。
綺麗な銀髪が特長的で、天然パーマネントウェーブすら美しい(笑)筈。
「如何致しましたかぁ?お嬢様」
「酢こんぶがないヨ。買って来るネ」
「かしこまりましたぁ〜。お〜い!新八ィィィッ!!」
坂田がそう叫ぶと「はぁ〜い」と階段の上から降りて来る眼鏡メイド。
「ぎゃあぁぁっ」
途中でこけて、階段を転がり落ちて来る。
眼鏡・メイド・ドジっ子
萌要素はあるはずが、何故か萌えない。
「なんのご用ですか?」
ずれた眼鏡を直しながら、駄メイド…新八が聞く。
「お前、酢こんぶ買って来い」
「はぁ?なんで僕が行かなきゃならんのですか!頼まれたあんたが行けよ!」
「あぁ?銀さんはこれからジャンプを買いに行かなきゃいけないんですぅ〜」
「ついでに行けばいいじゃないっすか」
「だって、こんな美形が酢こんぶって、笑えない?」
「笑えないですよ。てか自分で美形って言わないでください」
「だって美形じゃん?」
「…まぁしょうがない、行ってきます」
結局、新八が折れて買いに行くことになった。
神楽お嬢様は、別に酢こんぶを買ってきて貰えるなら誰でもいいので、このやり取りを無視して愛犬の定春をかまっていた。
「定春、あんな醜い大人になっちゃ駄目アル」
「わん」
お嬢様たる者、ピアノを嗜みます。
「神楽お嬢様〜。そろそろピアノの時間で〜す」
「定春、今日も素敵な音色を聞かしてあげるヨ」
「…わぅ」
「お嬢様…嫌がってますよ〜」
「なんか言ったか
?」
神楽お嬢様の鋭い視線と壁にめり込んだ拳が、坂田を黙らせます。
「…何もないで〜す」
「さて、さっそく弾くアルヨ!聞き惚れるがいいネ愚民供!」
どこでそんな言葉を覚えたのでしょう。
そのまま、お嬢様に相応しくない態度でピアノに近付くと椅子に座って一息ついてから
「ほあちゃあぁぁっ!!!」
と、チョップでピアノを真っ二つに叩き割ってしまいました。
ピアノは綺麗な音ではなく、それはそれは恐ろしい音を立てます。
「あ〜あ…またですか?」
帰って来たばかりの新八が呆れて部屋に入ってきます。