リクエスト小説
□雨ノチ晴レ
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私たち、いつからこんなにすれ違ってしまったの…?
どうしてこんなに、あなたの心は遠ざかってしまったの…?
「…犬夜叉…」
「…あ?どうした?」
ほら、また。
返事が遅くなったのは、あの女(ひと)のこと考えてたからなんでしょう?
昔愛した…ううん、今でも愛している、死人の巫女を…
今は2人きり。なぜなら雨の所為でみんなとはぐれてしまったから。
とにかく2人で駆け込んだ小屋の中は、人の気配はなく、廃屋のようだった。
かなり時間のたった今も、雨の止む気配はない。
それどころかひどくなる一方だ。
…さっきから、ほとんど何もしゃべってない。
…なんでかは、分かっているけど。
「みんな、早く戻ってくるといいね。」
本当のことなんて言えないから、少しだけ笑って、嘘をついた。
自分の、心に。
「この雨だ。あいつらもどっかで足止め食らってんだろ。」
そう言った犬夜叉は、私の顔を見ていなかった。