男性作家
□大岡昇平
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ながい旅
1982
新潮社
第十三方面軍または東海軍管区司令官として、降下B29搭乗員三十八名の処刑の責任を問われ、昭和二十三年五月、B級戦犯として、横浜の連合軍軍事裁判所で絞首刑の判決を受けた元陸軍中将岡田資の法廷闘争を描いた作品。
かくも誇り高く、部下を守るために自分の命を賭けて最後まで法廷で戦い抜いた男がいただろうか。戦犯裁判の様子がよく描かれており、中将の弁護士となったアメリカ人フェザーストン博士の生真面目で粘り強い弁護にも驚かされた。
誇りや品格を失いつつある現代人にとって必読の作品と言える。