欧州文学
□イタリア文学
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海の上のピアニスト
NOVECENTO Un monologo
1994
アレッサンドロ・バリッコ
白水社
ヨーロッパとアメリカを結ぶ客船ヴァージニアン号。乗客は大金持ちの旅行客から貧しい移民まで1000人以上いる大きな船だった。
彼を最初に見つけたのは船員のダニー・ブードマンだった。ボストンで乗客が降りた後、ダンスルームのビアノの上に置かれた段ボールの箱の中で、彼はじっとしていた。彼はまだ生後間もなく、恐らく貧しい移民が航海中に産み落として置き去りにしたのだろう。段ボールにはT・D・レモンと書かれていた。また、この年が1900年であったことから900を意味するノヴェチェントを加え、ダニーは彼にダニー・ブードマン・・T・D・レモン・ノヴェチェントと名付けた。
洋上で生まれた彼は成長し、誰から教わったわけでもないのにピアノを弾き出し・・・。
海の上で生まれ、一度も船を降りることのなかった天才ピアニストの伝説。トルナトーレ監督ティム・ロス主演で映画化されているが、原作は舞台演劇の脚本の形式で書かれている。
ノヴェチェントが一度は船を降りようとしながらも、結局やめた部分は色々考えさせられる。