■短編U■

□俺様の美技に酔いな!
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「……助けて。」


そう、私はいつも通り部活で電卓を叩いているはずだった。


何で部活で電卓かって?



なめてんのか?お前。


簿記部だからだよ!



まあ、いいわ。


そう、電卓を叩いているはずだった…(2回目)

なのに…



〜〜〜〜〜〜

「じゃあ行ってきまーす!」

「はいはい、行ってらっしゃい」



ガチャ。


「……」

「よお、ゆみ。迎えに来てやったぜ!」


ドアを開けるとそこには



俺様何様跡部様がいました。


どうやら免許を取れたのが嬉しくて、誰かを乗せたかったのだそうです。



全く迷惑な話だと思いながらも、学校まで歩くのも面倒なので、乗ってあげることにした。


「行くぜ!ゆみ!俺様の美技に酔いな!!」


「勝手にしてください(-_-)」

「ったく、照れやがって。素直じゃねえな」


そんなこんなで出発したのはいいものの…


明らかに学校と逆へ行っている。


そして更に…


車が揺れすぎだろオイ
運転荒っ!!


「跡部。明らかに逆行ってるよね。」


「アーン?地球は丸いんだからいつか着くだろ。」

「ごめん意味わかんない。」

「ククッ。ゆみ、もっと頭鍛えた方がいーぜ?」


「……」


…初めて人を殴りたくなりました


それからも跡部の荒い運転が続き…


だんだん気分が悪くなってきた私。


「跡部…」


「アーン?何だ?」


「酔った…」


私がそういうと、急に笑いだす跡部。

「ハーッ八ハッハッハ!そうかそうか。流石俺様だな。」


何故か満足気な跡部。


「は?」


「酔ったんだろ?俺様の美技に。」


……成る程。


「うん。酔った。酔ったから帰ろう、うん、それがいい。」


「アーン?何言ってやがる。もっと俺様の美技に酔いな!!」


誰だよ、跡部に免許持つ許可だしたの。


ああ、神様。


「…助けて。」





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