パラレル

□運鷹
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※『褒美の約束』続編




頭上をよぎった影に、望美は蒼天を見上げた。

高く広がる空に、大きな翼を広げて旋回する鷹が一羽。


鷹の姿を遠目に認めると、喜色を浮かべて側に仕える小姓を呼んだ。


「白雪がいるわ。水と餌を用意させて頂戴」

「御意」

言っている間にも、望美は櫃からなめし革の防具を引っ張りだしてきて左腕に巻き付けていく。

指をくわえて息を強く吹くと、ピュ―イ、と澄んだ音色がした。


「白雪! おいで」


指笛と望美の声に反応したのか、鷹はくるりと旋回した後に降下してきた。



近くで見れば見るほどに気高く、雄々しい鷹。

望美が両手を開いたのと同じぐらいある大きな翼をはためかせ、白雪と呼ばれた鷹は望美の示した左腕に降り立った。
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