小説☆烈火の炎

□夕立ち
1ページ/2ページ

夕立




「では行って参ります」
そういって雷覇は玄関の扉をしめた。
出かける先は近所のスーパー。あの闘いが終わったあと、
紅麗、雷覇、ジョーカー、小金井で暮らし初めてから、
雷覇はずっと家事全般をこなしてくれているのだ。
いつも彼にばかり仕事があって、すまないとは思うのだが、
彼以外はできないので仕方がない。
紅麗はもってのほか、小金井は洗濯はできるが、干すときになると背が足りないし、
ジョーカーはいつも遊びに出かけて、家にはほとんどいない。
たまに帰ってきては多国籍的な料理をふるまってくれるが、
自ら買い物に出かけることはあまりしないようだ。



そうなると、本当に、雷覇には感謝しなければいけないな・・・


紅麗は出かける前に雷覇が淹れてくれた紅茶を一口飲むと、窓の外をみやった。
若干ではあるが、曇ってきている。
夕日が陰って、空は黒とオレンジの微妙なマーブル模様をつくりだしている。
彼は傘を持っていっただろうか?
急に気になって、紅麗は椅子から立ち上がった。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ