小説☆烈火の炎

□雪景色
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「外は寒かったか?」
当たり前のことだが、私は雷覇に向かって問いかけた。
「?」

唐突な質問に、彼は目をぱちくりとさせながらも、笑顔で、答える。

「いえ、暖かかったです」
「・・・・・・・嘘をつけ」

私は、雷覇の頬を手のひらで包み込んだ。

「頬が、赤くなっているぞ。寒いのだろう?部屋に戻らないか?」
雷覇は顔色を少しも変えずに、くすっと少し鼻を鳴らして、

「・・・私が最初から『寒かったです』と言っていても、あなたはそういったんでしょう?・・・なんて暴いたら、あなたは気を悪くしますか?」

優しい笑みを浮かべる雷覇。私は頬を包み込んでいる手に力をこめ、そのまま彼の頬をつねり上げた。
「いちちちちち・・・いはいです、くれーはま(痛いです、紅麗様)」
「わかっているならいちいち言うな。寒い。部屋であたたまりたいのでお茶を淹れてこい」

私はそう言い放つと、立ち上がった。彼がかけてくれたコートをそのまま着込み、自分の部屋へと向かう。

頬が、少し高揚しているのが、自分でもわかった。



「素直じゃない人だなあ・・・」
雷覇はつぶやくと、立ちあがって、外を眺めた。




降り積もる雪のその様
まるで誰かの想いのよう
積もって積もって重なり合って
世界の色まで変えてしまう



「さて、今日はアールグレイにしましょうかね」
雷覇は触れられていた頬を自分の手でたしかめながら、キッチンへと向かった。



赤くなっていたのは、寒さのせいだけではないのですけれどね・・・



外を見つめているあなたの横顔が、とても綺麗で、見とれてしまっていました。

・・・なんて、本人には絶対に言えないですね・・・



fin
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