Novel(original)

□シスカミ
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腰まである長い髪が、窓から入り込む風になびく。

 灰色を基調とした神官見習いの衣装を意識する。背筋が伸びる。




深夜の神殿は、どこかよそよそしい空気を帯びていたが、とりあえず、今は気にしていられない。

 神殿の最奥へ向かう長廊下。

 静かに、音を立てることさえ憚りながらもゆっくりと進んでいく。




 ふ、と見上げると、見習い期間の終了を告げた満月の光が、目にじわりと沁みこんだ。








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