春の特別企画
□秘めた想い
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「バレット!」
ティファはメンバーの中でも一際目立つ、身体の大きな男に話しかけた。
男――バレットは、ティファの美しい笑顔に薄く頬を赤らめながら返事をした。
「お、おう。なんだ?」
「ごはんできたよ!今日はバレットの好きなおかずよ?」
「わ、わかった。すぐ行く」
ティファは最近のバレットの態度が気になっていた。
他のメンバーと接する態度とは明らかに違うのだ。
「ね、バレット?最近…私のこと……避けてる?」
ずっと父親のように慕ってきたバレット。
彼によそよそしくされるのは辛い。
何か自分に原因があるのだろうか。
不安げに見つめるティファに、バレットは慌てて否定した。
「ち、ちげえよ!避けてるわけじゃねえ」
「でも…最近のバレット変だよ。どうして私の目を見てくれないの?」
「それは…」
お前のことが………なんて、言えるか。
ティファは自分をそういう対象として見てはいないだろう。
それに、あのチョコボ野郎のことを特別に想っているんだろう。
……言えねえ、絶対に。
「ねぇ…言って?……お願い」
このまま、気まずいままなんて嫌だ。
私たちは……仲間なんだから。
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