テキはどこだ
□カコハクシュ
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標的79妄想
指一本動かせない、声一つあげられない。
押さえつけられた地獄が、彼の手で終わりを告げる。
差し伸べられた腕は、どこまでも暖かくて優しかった。
急速に落ちていく意識が彼の声を拾う。またせてごめん、と。
―どうして、謝るんですか。
謝らなければならないのはオレなのに。早く起きて謝らなければならないのに。なのに目の前は暗くなっていく。
最後に残ったのはふわりと降りてきた唇の感触。柔らかい、ほんの少し血の味の混ざったそれが、一瞬だけ触れて、離れていく。
ああ、10代目だ。
もう大丈夫。そう思ったのを最後に、オレの意識は闇に滑り落ちていった。
獄は目覚めたらホントに辛いだろうなぁ。
今回君が活躍できなかったのはツナの身を守ったからで(ついでにシャマルの詰めが甘かったからで)、君が弱いわけじゃないんだよ、と頭撫でてあげたいです。
・・・読み返すとツナ獄っぽいです。いえ、精神的にはツナ獄くさいの好きなんですが。