テキはどこだ

□I WISH
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―オレの友達って言ってもなぁ。
朝の通学路で、綱吉は本日三度目の溜め息をついた。盛大に吐き出された二酸化炭素と手に手を取って逃げていった幸せは、きっと獄寺と過ごすクリスマスの形をしていただろう。

「よぅ、ツナ。元気ねーのな。」
 どんっ、と背中を叩かれて、一瞬息が詰まる。
「おはよ、山本。」
 獄寺がいれば「10代目になにしやがる!」と速攻で揉め事に発展するところだが、寝坊でもしたのか、今朝はまだ姿を見せていなかった。だから綱吉ものんびりと挨拶を返す。

「オハヨー、ツナ君」
と、山本の背中からひょこりと京子が顔を出した。
「イブの夜パーティーなんでしょ?楽しみだね〜」
「な、何でもう知ってんの!?っていうか二人ともイブなのにデートとかしないのっ?」
思いがけない京子の発言に、ツナはその場で固まった。
「チビからさっき聞いたんだよ。二人で映画でも行こうか〜つってたけど、そっちの方が楽しそうだかんな」
―普通、イブってカップルで過ごすもんじゃなかったっけ?
ねー、と二人してニコニコと顔を綻ばせているのを見て、綱吉はこの二人はやっぱりどっか天然だ、と実感していた。
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