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□想い
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「相変わらずだな、あの量は」
急に言われリナリーは思わず小さく「え?」と声をあげた。
「アレン、見てたんだろ?」
にやり、とリーバーは意味ありげに笑みをうかべた。




ここは黒の教団内。
リナリーは資料探しを手伝って食堂近くの書室にリーバーと来ていた。
ドアの外に運び出す資料を重ねていた所、ちょうどそこから食堂の一角が見え最初の会話にいたる。
どうやら彼の姿を見つけ、手が止まっていたらしい。
「見たとこ、修練場に行ってたみたいだな」
確かに彼は腕をまくり上げ胸元を開き、上気した顔を水で洗ったのだろう、前髪が濡れ少し横に流れていた。
「あ、うん。行くって言ってたわ」
少し早めに返事を返す彼女に、ははぁと口の端を上げリーバーは言った。
「ちょうど昼メシ時だしな。リナリー、お前も食ってこいよ。お前はエクソシストなんだからそんな手伝わなくったっていんだぜ」
ま、すっかり頼っちまってるけどな、と申し訳なさげに続ける。
「でも・・「おーいアレン!!」
口を開いた彼女の言葉を掻き消す様に、リーバーは叫んだ。



ちょうど席を立っていた彼はその呼びかけに答え、2人の元に駆け寄った。
「なんですかリーバーさん?任務ですか?」
「いや、今日はもうリナリー手が空いたから一緒にメシにしてくれ。じゃないと手伝うって聞かないだろうし」
じゃあな、と手を振りさっさと行ってしまう。


もう、と彼女は少し頬を膨らませてリーバーの後ろ姿を少し見やったが、すぐに意識を白髪の彼に戻した。




「僕、ちょうど新しい料理取りに行く所だったんです。一緒にオーダーしに行きましょうか」
にこり、と彼は笑った。



            
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