連載小説
橋の上に立つ盲目の男、
名もなき国と国との境の石のように灰色のすがたして。
彼はつねに不変のもの、
おそらく彼を軸に
遠くから星の時間がめぐり動いているのであろう。
あらゆる星座の静かな中心点であるかもしれぬ。
なぜなら、彼の周りの全てのものは、さ迷い、流れ、
綺羅を競っているばかりだ。
多くの入り乱れた道の中に据えられた
動ずることのない正義の男、
彼は上辺のみに生きる連中の傍らに立つ
冥府への暗い入口だ。
──リルケ詩集より抜粋──
オリジナル長編連載中。
『罪の手帳』のシリーズはグロいんでそういうのが苦手な人は読まないほうが…
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