〜秘密の書〜
□密なる言葉
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やはり表紙にも何も書いておらず、ハーマイオニーはその本を開いてみた。
「な…なによこれっ!?」
ハーマイオニーは驚き目を見開いた。
その本に描かれていたのは文字ではなく、男女が戯れている絵が書かれていた。
ハーマイオニーはこうゆう類いのモノを見たことがなかった為、ショックのあまり固まってしまった。
「へぇ〜秀才の君でもそうゆう事に興味はあるんだな。」
ハーマイオニーは、はっと我に戻り頭上から聞こえた声の方へ目を向けた。
「マ、マルフォイ…!」
そこにはいつの間に居たのであろう、彼女の…いや彼女達の宿敵ドラコ・マルフォイが冷徹な笑みでハーマイオニーを見下ろしていた。
「ち、違うわ!!私はこんなモノに興味なんかないわ!!!」
ハーマイオニーは顔を真っ赤にして本を地面へ叩きつけた。
「おいおい、本を乱暴に扱うなんて君らしくない。」
言うとドラコはハーマイオニーが叩き落としたその本を気だるそうに広い上げた。
「そ…そんなモノ本なんていわないわ!卑劣な紙切れよ!」
「そう言う割には食い入るように見てたじゃないか。」
ドラコはバカにしたように笑った。
「びっくりして動けなかっただけよ!何度も言ってるけど私はそんなモノに興味はないわ!!」
「クラムとキスした。」
ハーマイオニーはドキリとした。
「え…?」
「クラムとキスしてたじゃないか。」
「そ、それは彼から急に……何で貴方が知っているのよ!?」
「本当にしたのか!」
ドラコはくっくっと笑った。
「騙したのね!?」
ハーマイオニーはカマをかけられた事を知り思いっきり殴ってやろうと手を振り上げた。
が、いとも簡単にドラコに腕を掴まれてしまった。
「痛っ…!離しなさいよっ!」
「二度も殴られるのはごめんだ。」
そう言うとハーマイオニーを壁に追いやり、密着した。
「…何をする気…?」
ハーマイオニーは震える足を踏ん張り平静を装って聞いた。
「ふっ…何をするなんて無粋な事を。聡明な君なら分かってる筈だよ。」
ドラコは獲物を狙う蛇のような目付きで笑みを浮かべながら答えた。
その目を見てハーマイオニーは悪寒が走り身体がぶるぶる震えた。