〜秘密の書〜

□Secret Room
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僕は、グレンジャーを誘った。

半ば強引に。

最初は抵抗したが、後は大人しく僕に処女を奪われた。

初めはあそびだった。

忌々しい英雄気取りのポッターの隣に常にいて、しゃしゃり出てく穢れた血。

目障りだったんだ。

だからもて遊んでやろうと思った。

ぼろぼろにしてやろうと思った。

けど、彼女の身体は力を入れたら折れるんじゃないかと思う程華奢で、
白く透き通った肌は余りにも柔らかく
彼女の声はカナリアのように美しく鳴いてるように思えた。


身体を重ねる事に、グレンジャーに対して独占欲が増していった。
離れたくないと思うようになった。

自分から仕掛けたゲームにまんまと僕がはまった。

そして知ってしまったんだ。

君が好き…。

でもこの想いは誰にも知られてはいけない。

隠し通さなければいけない。

卑怯な僕は、行為以外は彼女にいつも以上に冷たい態度を取るようになった。

本当は終わった後も君を抱きしめたい。

愛してると伝えたい。


ドラコは部屋から出たものの、
寮に帰る気になれず廊下の壁に寄りかかっていた。


あの部屋に戻ったら彼女はまだいるのだろうか…。

「ハーマイオニー…」

ドラコは切ない声でハーマイオニーの名を呼んだ。

その時、少し離れた場所に儚げに立って月を見つめているハーマイオニーの姿を見つけた。

ドラコはハーマイオニーを今すぐ走って抱きしめたい衝動にかられたが、ぐっと堪えた。

するとハーマイオニーはその場にしゃがみ込み、自分を抱きしめ小さく震えていた。

泣いてる…?

必死で声を押し殺し泣いてるハーマイオニーを見て、ドラコは胸が張り裂けそうになった。

僕のせいだ……ドラコはその場から一歩も動く事が出来ず、只呆然と遠くから見つめる事しか出来なかった。


もう終わりにしよう。

自分の我儘な行動で彼女が傷付いている。

ごめん…ごめんよ…グレンジャー…。

「愛していたよ…ハーマイオニー。」

ハーマイオニーは誰かに呼ばれた気がして後ろを振り返った。

だがそこには誰もおらず、月明かりに照らされていた。
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