〜秘密の書〜

□Secret Room
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ドラコは息を整え

ハーマイオニーのお腹に出したモノをティッシュで丁寧に拭き取ると、素早くスリザリン生の制服を身につけた。



ハーマイオニーはぼーっとドラコを見ていると

身支度を終えたドラコがハーマイオニーを見やり

「おい、グレンジャー。いつまでそうしてるつもりだ。早く戻らないと誰かに見つかるぞ。」

ドラコは先程とはまるで別人のようにハーマイオニーに冷ややかな視線を送った。

「わかってるわよ。」
ハーマイオニーは気だるい身体を少し起こし掠れた声でドラコに告げると

ドラコはふっと皮肉たっぷりの笑みを見せさっさと部屋から出ていった。

ハーマイオニーは再びどさっとベッドに身体を預けた。


終わった後はグレンジャーなのよね…。


ハーマイオニーはふっとドラコがさっきしたような笑みをし
ゆっくり身体を起こし制服を着るとハーマイオニーも部屋を出た。

この秘密の部屋から…。


何時からだろう。

私とマルフォイがこうゆう関係になったのは。


私達は付き合っているわけではない。

身体だけの関係。



今でも会えばいがみ合い。

行為が終われば彼はいつもの冷たいドラコ・マルフォイに戻る。


ハーマイオニーは小さく力なく笑った。

私って都合の良い女ね。

本来、自分はこうゆう事が許せない筈なのに…


あの目を見るとNOと言えなくなる。

言葉で言わなくても分かってしまう。あの視線。

今夜、秘密の部屋で…。



ハーマイオニーは寮へ帰る途中、ふいに空を見上げた。

今夜は満月。

ハーマイオニーは月に向かって囁くように彼の名を呼んだ。

「ドラコ…好きよ…」

その時、満月がハーマイオニーに答えるように一瞬小さく光を増したように見えた。

ハーマイオニーはチョコレート色の瞳から涙が止まらず
その場にしゃがみ込み自分を抱きしめた。

きっとこの想いは届かない。

だから

都合の良い女でもいい。

彼の側に少しでもいたいから。

いずれ飽きられるだろうその日まで側にいたい。


ハーマイオニーは更に強く自分を抱きしめ、声を殺して泣いた。


少し離れた場所でドラコが見ているとも知らず…。
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