〜Novel〜

□over
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空いた時間や一人になりたい時

私はいつも学校に数多くある中の塔の一つに行く。



そこで見る夕日はとても美しくて悲しい…不思議な感覚に襲われる。


悲しくなる筈なのに、何故か気分が落ち着いてくる。

不思議な場所。


私はまるでその場所は自分だけのものだと思っていた。




少し時間が空き、ハーマイオニーは何気なく塔に足を運んだ。



タンッタンッと階段を登り、もうすぐで塔の頂上に着く所でハーマイオニーの足が止まった。


(誰かいる…?)


塔の上から微かに誰かが啜り泣く声が聞こえたのだ。

ハーマイオニーはいけないと思いながらも好奇心に負け、階段を登った。

塔の頂上に到着し影から恐る恐る様子を見ると予想外の人物にハーマイオニーは息を飲んだ。


(マルフォイ…!!!)


そこには、ハーマイオニーの大ッ嫌いな男、ドラコ・マルフォイがいた。



(どうしてあいつが…?)

ハーマイオニーはその場から動く事が出来なかった。

声を殺して泣くドラコの姿は
普段の堂々としたふてぶてしい態度とはあまりにもかけ離れていて
弱々しく、今にも消え入りそうな様だったからだ。


ハーマイオニーは居たたまれなくなり黙ってここから立ち去ろうとした。

が、あまりの衝撃的な光景を見てしまった為か、

足が縺れ思いっきりドスンッと尻餅をついてしまった。

「いったぁ〜〜」

「誰だっ!?」

ドラコは音のした方へ杖を向けた。
ハーマイオニーがお尻を擦りながらノロノロと姿を現すと

ドラコは目を細めいつものように見下すようにハーマイオニーを睨んだ。

「おやおや。これはミス・グレンジャー。優等生の君に覗きの趣味があったとはねぇ。」

ハーマイオニーはドラコの言った事が間違えではなかった為何も言えず下を向いた。

「目障りなんだよ。穢れた血め!僕の前から消えろよ!」

ドラコはキッとハーマイオニーをひと睨みすると視線を反らした。
ハーマイオニーは何か言ってやろうと思ったが、自分に非がある為言葉を飲み込んだ。
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