遙か3

□ありがとうを君に
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買い出し班になった青龍、白虎組と荒法師殿。
譲を中心に何を作るか相談していた。


「やっぱり本人に聞くのが一番だろ」

「そうだよねー。でも頼子ちゃんまだ寝てるよね?」


景時はそう言って肩を落とす。
聞く相手が寝ている今は万策尽きた状態である。


「おはよー…何難しい顔してるの?」


図った様にタイミング良く頼子が起きてきた。
男5人は笑顔で頷き合う。


「頼子さん、今日の夕餉は何が食べたいですか?」

「頼子さんの好きな物作りますよ」
 

弁慶と譲が人の良い笑みを浮かべて尋ねる。
寝起きと突然の事でボーっとしながらも頼子は答える。


「正露丸乗せコーラかけご飯醤油味」

「「え?」」


聞いた事の無い単語に弁慶と景時は間抜けな声を出す。


「無理だ!第一にその腹痛起こしたいのか直したいのか分かんねぇ組み合わせは何だ!」

「醤油味だよ?」

「そこが問題じゃねぇから!」


将臣の勢いの良いツッコミが炸裂。


「頼子さん…さすがにそれは無理です。メイン2つの作り方分からないですし」

「全く。少しは真面目に考えたらどうなんだ」
 

呆れた様に言う九郎に頼子は近付き、すっと九郎の顎に指を滑らす。


「じゃあ九郎がいいかな…?」

「なっ?!」


その台詞に九郎だけでなく譲も顔を真っ赤にする。
景時と将臣は呆気にとられていて、弁慶は限りなく黒い微笑みを浮かべている。


「頼子さん。僕の方が九郎より良いですよ」

「弁慶…お前まで話を逸すなよ」


将臣は深いため息をつく。
景時も焦りながら「そうだよー」と将臣の援護をする。


「はいはい。なら鷺沢がいい!何か無性に食べたい」

「それなら多分大丈夫です。今日の夕飯は
それにしましょう」


譲のOKに頼子はにっこりと笑顔を浮かべる。


「じゃあ楽しみにしててねー!」


景時も笑顔を返し4人の背中を押し買い出しへと向かった。
 
 
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