遙か3

□I wish reunion
1ページ/3ページ


「お疲れ様、望美」

「頼子!」


ちょうど稽古を終えたタイミングで頼子がやって来た。


「リズ先生と九郎もご苦労様です」

「うむ」

「ああ」


ニコリと笑って、頼子は先生達と話をしてる。
何となく寂しくなって、彼女の腕に自分の腕を絡めてみる。


「疲れたの?」

「少し…」


そう答えると、頼子は私の頭を優しく撫でてくれた。


「そうしていると頼子は望美の姉に見えるな」

「何それ。私が老けてるって事?」


九郎さんの言葉に頼子は怒る。
だけどその目はすごく楽しそうで、少し腕に力を込めた。


「頼子、戻ろ?」


表に出そうな感情を抑えながら言うと、彼女は笑って「良いよ」と返してくれた。

嫌な子と思われるかも知れないけど、これ以上見ていたくない。

 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ