遙か3
□ありがとうを君に
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その日朝食が終わると望美は八葉と白龍、朔を呼び集めた。
「譲君、頼子は何してる?」
開口一番頼子の様子を譲に尋ねる。
「食事が終わってすぐ寝直しました」
「相変わらずよく寝る奴だ…」
譲の言葉に将臣は呆れた様に言う。
他の人たちも少し苦笑している。
「じゃあ話すね。今日は頼子への感謝の宴を行います!」
にこりと笑って望美は宣言する。
「また唐突だな」
「頼子って強いし可愛いしいつもお世話になりっ放しじゃない。やっぱお礼しなきゃ!」
九郎の呟きを鮮やかにスルーして望美は熱っぽく喋る。
可愛いの部分は全く関係ない気もするが誰も触れない。
「望美、九郎に触れろ。ヘコんでる」
「と言う訳で皆さん協力宜しく!」
自分もスルーされヘコむ将臣。
青龍コンビ揃って撃沈。
「それで神子。具体的には何をするんだ?」
敦盛が首を傾げて望美に聞く。
ヘコんでいる青龍コンビ以外の人間は興味津津である。
「んー。特に決めてないんですよ」
「なら普通の宴と一緒で構わないと思うけど、頼子ちゃんの好きな物準備しないとね」
「ええ。喜んで貰わなければいけませんからね」
景時の言葉に弁慶も賛同し、二人で頭を悩ませる。
「じゃあ私、朔、白龍、ヒノエ君、敦盛さん、先生が屋敷の準備で譲君に景時さん、弁慶さん、あと青龍の二人で買い出しお願いします」
望美の振り分けに皆が返事をして宴の準備に取り掛かった。