贈物文
□10000hitリク!「色々な姿」
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師走に入ると忘年会があちこちで行なわれる。
この日は、護廷十三隊の隊長、副隊長の忘年会が開かれていた。
「きゃっ」
「大当たりだネ」
七緒の頭から兎耳が生えていた。
「な、なに」
「今度は、完成品だから、半刻で消えるヨ」
先日七緒は、試作品の薬入りの菓子を食べてしまい、小さくなった上に猫の耳と尻尾が生えてしまい、大変な思いをした。一日で戻ったが、未完成の薬だった為か言葉や行動にまで猫のようになってしまい、不安させられた。
今回は完成品だからだろうか、姿はそのままだし、言葉も大丈夫そうだ。
「涅隊長、本当ですね?」
振り返ると、乱菊に猫耳と尻尾が生えていた。
「ら、乱菊…ちょお…な?」
ギンは乱菊ににじり寄り、腰に手を回す。どうやら、ギンのツボにはまったらしい。
「…何よギン」
「ええから、こっち…」
ギンは本能に忠実に従い、猫耳乱菊をお持ち帰り。
「な、七緒ちゃん…」
春水も七緒を持ち帰ろうと、にじり寄る。
「…い、イヤですよ…」
七緒は後退る。
「ん?頭がむずむず…」
春水が頭に手を持っていきかけると、笠を跳ねとばし狼の耳と、お尻からは、ふさふさとした尻尾が生えてきていた。
「…七緒ちゃん!」
「きゃー!」
春水は自分にも動物の耳と尻尾が現れたことで、理性の糸が簡単に切れた。七緒を抱き抱えると、一目散に八番隊へと帰っていく。
「七緒ちゃんっ!」
春水は自室へ連れ込み、七緒をそのまま押し倒す。
「ちょっ…隊長…」
「この薬、少し獣っぽくなるのかな…七緒ちゃん、食べちゃいたい」
春水は唇を舌で舐める。尻尾は千切れんばかりに、振られている。
「…や…隊長…」
七緒は藻掻き、春水から逃げようとする。恐怖から、長い兎耳は下がり後ろに向いている。
「……可愛い…七緒ちゃん」
春水は目を細め、震える七緒の頬を撫でる。