○キーリ○
□命がけの花火大会
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「…ちっ………あっ…くそ!!!」
カチッ…カチッ……
とライターを擦る音が辺りに響く。
「下手くそだな。貸せよ、俺がやる」
そうい言うと同時に、ひょこっと横から手が伸びてきた。
イライラしている時に聞きたくもない声を聞くと余計にイラついてくる。
それに、こいつの『俺様』的言動が昔から気にくわない。
「………………お前のその髪燃やして蝋燭に火を付けるから頭貸せ」
そう言って、ライターを相手の銀髪に近づける。
「ちょっ……てめ、おい!!やめろっ。この馬鹿!!!」
喚きながら
肘で髪の毛をガードしているが、
俺にはそんなの関係ない。
気にせず火のついたライターを髪に火を近づける。
「おいっ!!!エイフラム!!」
ジュッ。
ヨアヒムの毛先一部が
プスプスとパーマをかけた様に丸まった。
―――――面白い
もう一回、っと思い再び火を近づけようとした時
「ちょっとあんたたち!!何やってんの!?」
ライターの火を付けたまま、声のした方を見る。
そこには
白に蝶々柄の浴衣を着て、仁王立ちしこちらを睨んでいるベアトリクスが居た。
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