Novel

□ペルソナ
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いけ好かない奴だった。
みんな掻っ攫われた気分だった。

平凡な日々に閉塞を度々感じて、
殻の中で死ぬ雛の気分だった。

降って湧いた非日常。
でも、特別には成れなかった。

転校したばかりのアイツは、
俺と違って頼られてた。
ペルソナだって幾つも持っていた。

不安なんて感じてるはずない。
俺が馬鹿みたいだ。

俺ナリに居場所を造ろうとしても、それはあやふやで、
俺は何のためにいるのか分からなくなっていた。


そんな俺の横で他人様の親友まで掻っ攫い、恋愛相談に乗り、
女子という女子を虜にし、
先輩達からの信頼も厚く、
トドメに文武両道。
張り合う気力も無かった。

そこに大切なものが出来た。
敵なのはわかっていた。
でも、確かに絆を感じていた。
そんな、コレなんてロミオとジュリエット?
な状況は、それらしい悲劇で幕を閉じた。
許せなかった。
何で死んだのか、何で助けたのか、何で助けられなかったのか。
八つ当たりとわかっても、アイツが憎かった。
何で特別で何でも持っているのに助けられなかったのか、
何も分けてくれないのか、
いや、何で俺にはそんなものが無いのか。


そして世界が滅ぶと、
綾時がデスでアイツが封印していたと分かった時

アイツが来なければ、アイツがいなければ、こんな事にならないで済んだのに。
一瞬でも心からそう思い、
そして、アイツにぶちまけてしまった。


‥‥なのに、‥‥なのに、
なのに何で、

「何でなんだよーーー。
何でアイツがみんなのために死なないと行けないんだろう。

俺達が学校の屋上で見つけた時、眠っていると思っていたのに。
アイツが一人でニュクスを倒しに行って、
何も出来ないのかと、絶望仕掛けた。
死んじまったかと思って、
でも、生きていて嬉しかった。
‥‥例え記憶を失っても。

なのに何で、こんな面白くも無いオチになるんだよ。
アイツ、頑張ってたのに。
親もいねーし本当に辛かったはずなのに。


あいつは穏やかに笑って眠るように死んだ。
チドリと同じで満足そうに。

俺も、いつか死ぬときはそんな顔を出来るのか?
それとも、そんな顔を出来るからし布もためらわなかったのか?

チドリがいなくなって、荒垣先輩もいなくなって。
こんな言い方はないかもしれねぇけど、その穴をやっと埋めれると思ったのに。
やっと埋まって笑って過ごせると思ったのに。
綾時は姿は消えてもお前の中にいると思ってたから悲しくなかったのに。

「お前も‥‥かよ。お前もいなくなるのかよ。」

もしかしたら
 

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