君の笑顔

□34廻
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「・・・正宗」
会場に繋がる階段を上る柚はおもむろに隣に居る人魂モードの正宗に話し掛ける
『どうかしたか?
 まだあいつらの事でも考えてんのか?』
あいつらとはX-Uの事
「いえ違います
 彼らは覚悟を決めてハオさんに立ち向かうとしていました
 だからもう気にしていません・・・
 私はこれから何が起こるのかもう誰にも言わない事にしました」
柚の告白を聞きピタッと動きが止まる正宗に視線を向ける
『・・・おい・・・・・・
 そんな事したらお前が辛くなるじゃねぇかよ
 蓮だって言ってただろうが!!』
「大丈夫ですよ正宗
 私は強くなりたいんです精神的にーーー
 それに私がこれから何が起きるか皆さんに言ってしまったら強くなれなくなってしまいます
 私は一人じゃないでしょ?
 心強いお友達であり持霊の正宗がいつも側に居てくれますしそれに・・・私の中に居るこの人も居ますから」
ニコッと微笑む柚を見て薄く笑う正宗

あんなに
弱っちくて
泣き虫だった
柚がここまで
強くなるたぁ
思ってもいなかったぜ
ーーーー
覚悟がなかったのは
俺様の方だったようだな

『いつでも俺様に頼れよ柚』
「はい
 ホロホロくんの強くなった姿を見に行きましょうか」
『その前に・・・・・・これから起こる事を俺様に教えろよ』
階段を上る足がピタッと止まる
『お前の事だ・・・
 また隠そうとしてんだろうが俺様にはバレバレだ』
「・・・・・・やはり分かってしまいますか」
困ったように笑う
『何年側に居ると思ってんだよ』
はぁっと溜め息をつく
「ガンダーラさんが五人の戦士を見つけ、ハオさん達は星祭りと言う盛大な魂狩りが始まり多くの人達が死んで逝きます
 なので私は少しハオさんを驚かそうと思って行動を移しました」
『五人の戦士?
 ・・・ハオを驚かす?』
よく分からない事を言われ首を傾げる正宗を見てニコッと笑い階段を上って行く









ドンッと冷静に明王を見るホロホロ
「・・・やれやれ 
 またパワーアップとやらか?
 だが我ら神クラスの前では何をしようが所詮 小細工
 教えてやれフドーーー」
名前を言う前にフドウの右肩がボッと凍りつき破壊された
「ニポポテクンペ(ニポポ手甲)
 ハラキホク(レフトハズバンド)
 ウォセ(遠吠え)」
アイヌ語を喋るホロホロに誰もが驚く
「・・・え?」
まん太は声を出す
「本来のホロホロくんの姿ですよ」
「柚ちゃん!!!」
リゼルグは急な登場をした柚に驚く
「こんにちはリゼルグくん
 私なんかを見ていないでホロホロくんの戦いを見てくださいな」
そう言われリングに視線を変えるとフドウの腕はボッとまた生えドゴオッとホロホロを攻撃する
「シモンマタク(ライトワイフ)」

ルペシかテク(凍らせる手)

フドウの羂索をパリィンッと凍らせる
「・・・!」
「オォオオオオッ!!!」
大声を上げて羂索を掴みブワッとフドウをアイゼンに向けて投げる
『!!!』
「ハハハハハッ!」
ババババババッとまた謎の動きをするカドゥ
「何故ですか!!!」
矢をホロホロに向けるが全てガガガガガッとニポポクンぺで凍らせて破壊する
「シューシュワッキ(風がうなる)」

カムイランケ
オプケニ
(神から授かった拳)

ゴッとアイゼンの腹部を殴りつけキーーン・・・と凍らせる
「教えてやるよ
 ひどい凍傷にかかるとよ
 むしろ死ぬほど熱いんだ
 今の俺みてェにな」
パリィィンッとアイゼンは凍り付き壊れた
「・・・おお」
「おおお・・・!」
会場に居る誰もがホロホロに驚く
「・・・・・・・・・・・・
 あり得ない・・・・・・・・・・・・」
リングアウトしたヤイナグ

こいつは・・・・・・

者だ

ゴクッと固唾を飲むカドゥ

「やはり間違いないようですね」
「・・・フム
 すると姫あの者もーーーーー」
「ええ・・・
 彼はあなた方のお話通りの人物でした
 感謝しますぼずさん」
カーテン越しに話をするサティ
「とんでもない・・・」
「オレ達はあなたに助けられたからここにいるんだ
 だから当然の事をしたまでじゃないっスか」
ぼずはサティに感謝する
「それに潤さんも」
ここに何故居るのか分からないが蓮の姉の潤も居た
「いいえ・・・
 これも全ては道家と弟蓮のため
 ならばこれ以上よいお話は御座いませんわ」
「・・・私はついに見つけた
 正義でも悪でもなく何も偏らず夢に向かう子供達
 私にも成し得ぬ新しい世界の構築のために私が導かねばなら五人の戦士ーーーーー
 碓氷ホロケウ
 彼が最後の一人なのですから」
サティは一人リングに立つホロホロを見て言う
『ほぉーーーー
 それは妾も是非とも見てみたいのう・・・
 お主が見たがるその新しい世界とやらを』
「!!!!」
サティ以外は驚き視線を向けると眼帯はしておらず身長も高く巫女の格好をして笑っている柚が居た
「・・・・・・貴女が現シャーマンキングの佐藤柚ですね?」
サティはカーテンから出てジッと見る
『そう恐れた表情をするでない第三勢力の一つガンダーラの指導者サティよ
 お主は五大精霊を扱う事が出来る可能性を秘めた五人の戦士とやらを捜しておるのじゃろ?
 現世と黄泉あらゆる人間や霊と手を結び行動しておる・・・間違いないな?』
赤い瞳はいつも増して鋭く感じる
「なんでも分かってしまうのですね
 私達の行動をーーーーーー」
『500年前のS.F.で倒した奴には全く似ても似つかぬものじゃ
 まあよいーーーー
 妾はそろそろシャーマンキングの座を明け渡さねばならぬ
 じゃがどう転んでもハオが優勝する事は変わりない』
「私に何をしろというのですか?」
サティの発言にニヤッと笑う
『さすが話が早く進む
 妾達はもう二度と人の未来を言わんと決めたがお主は特別じゃ
 ・・・サティよお主・・・・・・死ね』
「何を・・・」
大栄は身を乗り出し怒りを露にするがそれをサティは止める
『・・・・・・フムこの術はまだ未完成のようじゃな』
薄れていく自分の手をマジマジと見ながら言う
『時間もないようじゃ
 サティお主は死ぬ事になるのは避けられぬ事実ーーーーー
 これだけは伝えておく
 次会う時は・・・・・・この世かそれとも・・・・・・・・・黄泉か・・・楽しみにしておる』
ニヤッと笑う顔に不釣り合いな真っ赤な瞳はサティ一人を捕えフワッと消えた
「あれが・・・・・・現シャーマンキングの柚」
潤はゴクッと固唾を飲み消えたはずの柚の巫力を感じた
サティは柚の言葉を心にしまった







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