君の笑顔

□19廻
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「さあ もういいだろう」
ハオの一言でスピリット オブ ファイアの動きが止まった
ベットのシーツは血で赤黒く染まりその上で荒い呼吸をしている柚
椅子から腰を上げ近寄り血が付いた長い髪を触り微笑むハオ
「これで柚の巫力は上がったよーーー
 まあ もともとの巫力は高い方だったからそんなに殺さずにすんだけどね」
言葉を発する事も出来ない
「僕は今の君は好きじゃない 千年前の柚を愛しているんだ・・・・・・」
グッと髪を引っ張り無理矢理上半身を起こす
「さあ早く出ておいで僕だけの柚・・・誰のものでもない僕だけのもの」
呪文のように何度も何度も耳元で囁く


「・・・・・・葉・・・・・・王・・・・・・・」
言葉にしたのは千年前の柚
愛おしさが混じりあった声だった
「ああ・・・・・・
 やっと会えた僕の柚」
血まみれなのもおかまい無しに抱きつくハオ
「・・・妾も会いたかったーーーーーー
 ずっと一緒と約束したではないか」
答える様にギュッと抱きつく
髪は銀に染まり瞳は赤くなっていた
完全にハオの「もの」になってしまった柚
「オパチョ外に出ててくれ・・・」
「はい ハオさま」
ハオの命令に従いオパチョはハオの部屋から出て行った
「また子を作ろう・・・・・・
 今度は誰にも邪魔なんかさせない」
そう言うとハオは柚に口づけをする
「・・・んっ・・・・・・」
ハオの舌が歯並びにそって動きそれに答えるように柚の舌を絡める
二人が離れる銀の糸が二人を繋ぐ
「・・・妾はもう二度と葉王から離れはしないーーーーーー
 もう二度と・・・・・・」
その言葉を聞くとハオは微笑みベットに倒す
「その言葉にウソはないようだね」
満足した様にまた微笑みやわやわと柚の服越しに胸を触る
「ーーんっ・・っは・・・・・・」
強弱をつけて愛撫をするハオに反応する柚
「誰にも触られてはいないだろうね」
「・・・あっーーー妾はそんな・・・っん」
顔を赤める
「ふふふ・・・
 いい反応だねさすが僕が仕込んだだけはある」
首元を舐めるハオ
柚の着ているのは白いニットのワンピースを脱がし下着を脱がし自分もマントを脱ぐ
「綺麗だよ柚・・・・・・
 何よりも愛してる」
何度も何度も愛おしそうに発する言葉

二人は闇に堕ちていったーーーーーー
深い深い闇の中に










未だに柚を探しまわる正宗
守ると約束したのにそれさえも守れない自分の不甲斐なさに胸が締め付けられていく
『・・・どこにいるんだ・・・・・・柚ーーー
 頼むから・・・頼むから無事でいてくれ』
今までに無い弱気な正宗の声
しかし不憫にもそれは聞き入れられる事はなかった・・・






千年前の柚の胸の中で眠り続ける柚
今自分に何が起こっているのかすら知らずに仲間の事を思いつつ眠る
今だけは今だけは無の状態でありたいと自分で思ってしまった・・・結果が間違った方向に向かってしまうとは思いもせずにーーーーーー








「・・・あっん・・・・・・は・・・っ・・・」
「くっーーーー」
ハオの部屋から響くいやらしく愛のある行為
それがハオの望んだ幸せなのかすら分からない
ただ今目の前にいるのは心から愛した千年前の柚






オラクルベルが
トーナメントの
お知らせを告げ
そして
2か月に時が
たった



バババババババと多くのヘリコプターが無人島に集まる

2000
「トーキョーの無人島」


「考えたもんだよねーーーーっ
 まさか無人島でトーナメントとは・・・確かにここもトーキョーには違いねえしオレ様のバトルはついにここで開かれるんだな!」
ヘリコプターの窓から無人島を見るチョコラブ
「ケッ パッチの奴らもごくろうなこったな
 無人島の工場跡地を利用して会場造りとはなそりゃあ3か月もかかるわけだ
 にしてもやたらヘリ多くねえか?
 こんなに選手残ってなかったはずだぜ?」
窓越しに多くのヘリコプターを気にするホロホロ
「各国の応援団だよ」
ヘリコプターを操作しているカリムは説明をする
「応援団!?」
「トーナメントはいよいよ最後のメインイベントだからな晴れて試練を乗り越え生きのびた君達を応援すべく自費で集まってきてるのだよ
 見ろ 闘技場には観客席もキチンと用意してあるだろう」
「うおおっすげーーーー!!
 なんか「いかにも」って感じになってきたぜーーーーっ!!」
闘技場を見て驚くチョコラブ
「くだらん どうせキサマらはまた客を集めて資金を得るつもりなのだろう
 そもそも二度と家族に会えぬはずがたかがこれしきの試練を乗り越えただけで・・・・・・・・・」
蓮は腕と足を組み窓から外を見ると道家のヘリコプターと家族が応援していた
「どうした蓮?」
少し様子がおかしいと感じたホロホロは蓮に聞く
「幻覚だ 外見たら殺す」
見てはいけないものを見てしまった蓮
「・・・・・・・・・
 いよいよだな・・・
 なあカリムトーナメントの組み合わせはG・Sが決めるんだろ?
 オレ達はーーーーー」
緊張してきたホロホロはカリムに話しかける
「あまり話しかけないでくれ そろそろ巫力が切れそうなんだ」
フーーッとため息をつくカリム
「てめえこのヘリもまたO・Sかよ!?」
つっこみをいれるホロホロ
「ふざけんなこのケチ野郎!」
「フフ・・・
 アイス買ってやろうか?」
「いらねえよ!」
賑やかなヘリコプターの中











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