君の笑顔

□8廻
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蓮は未だに眠っている柚の傷を処置している
「なあ 馬孫」
『なんでございましょうか ぼっちゃま』
馬孫は直に返事を返す
「なんでこいつはここまでして戦ったのだろうか?」
『・・・私にも分かりかねます・・・』
馬孫は返事に困る
『そんなの決まってるだろ
 友達を傷つけた奴が許せなかったんだよこいつは』
正宗は姿を現す
「友達だと?」
『ああ お前には分からねえがな・・・
 こいつにとっては初めて心から許せる友達が出来たってのにあのファウストはそいつらを傷つけた
 だから自分がどうなろうと関係なかったんだよ』
「・・・・・・
 オレには分からぬ事だ
 おい バカ霊 
 キサマに聞くがあの刀はなぜあれほど紅くなったのだ?」
『お前・・・いい加減にしろよな!
 ・・・・・・まあ お前なら教えてもいいか・・・
 今日使った琴ノ繪ってのは他者に傷つけられなおかつ大量の血が必要なんだよ
 だから ファウストの奴をキレさせれば必ず血が流れると計算して使ったんだよ』
「・・・キサマは平気なのか 持ち主が傷つくところを見て」
『平気なわけねえだろ!
 だが・・・・・・今回は柚本人が言った事だ
 俺様がどうこう言える立場じゃねんだよ』
苦しそうな表情を見せる正宗
「フン
 そうか・・・」
そう言い処置を終わらせた




「・・・んっ・・・ここは・・・?」
重たい瞼を開け意識がまだはっきりしない柚
「起きたか・・・
 全く キサマは弱いくせに無茶をする」
蓮は起きたのを確認し話しかける
「・・・試合はどうなりましたか?」
「キサマの勝ちだ」
質問に答える
「・・・・・・そうですか」
ベットから上半身だけを起き上がらせる
「いっ・・・っ」
右肩に激痛が走り顔を歪める
『当たり前だバカ
 エリザの攻撃もろに食らったんだがから』
隣に姿を現す正宗
「私は・・・・・・やっては行けない事をやろうとしました・・・」
ファウスト戦を思い出す
「自分で「憎しみは憎しみを呼ぶ」と言ったくせに怒りに自分をまかせたな」
椅子に座り足を組みながら言う
「・・・確かに私は怒りに任せてファウストさんを殺そうとしました・・・・・・
 自分で言っておきながら・・・」
ギュッとシーツを握る
「だが勝ちは勝ちだ
 キサマは第一次予選通過だ」
「・・・・・・・・・」






昨日の雨が嘘の様に晴れている
「でも、昨日の試合すごかったね」
まん太は隣に座る葉に話しかける
「・・・ああ
 柚があそこまで強くなってたんは驚いた」
葉は空を見上げながら言う
「柚ちゃん、ファウストを本気で殺そうとしたのかな?」
まん太は昨日の光景を思い出す
「さあな・・・
 でも 本気でキレてたのは分かったな」
冷たい瞳、冷たく低い声
昨日の姿は本当にあの柚だったのかが不思議に思う
「ちょっと
 あんた達いつまでそんな所にいるわけ
 次は葉 あんたの試合なのよ
 負けたらシャーマンキングの夢は無くなるのよ
 分かってるの!
 今は柚の事よりも自分の事を心配しなさい!」
アンナは腕を組み二人を睨む
「・・・・・・ああ
 分かってるって・・・」
そう言いベンチから腰を上げた










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