小話
□Little Red
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昔々あるところに、不本意ながらも赤ずきんと呼ばれる見た目は可愛い女の子がいました。
ある日のこと、暇を持て余していた赤ずきんは、お母さんに呼ばれました。
「赤ずきん、病気になったおばあさんのところにパンとぶどう酒を持っていって頂戴。」
「分かったわ、お母様。いってきまーす!」
赤ずきんはそう言って元気良く出かけました。
おばあさんの家に行くには、森を通って行かなければなりません。
その道のりは長く、赤ずきんにとって、めんどくさいものこの上ありませんでした。
しかし、お母さんのまえで快く承諾してしまった手前、サボることは出来ません。
あーもう超めんどくさいと思いながら森の中を歩いていると、森で怖いと有名な一匹の狼と出会いました。
「こんにちは、赤ずきん」
「こんにちは、狼さん」
「これから何処へいくんだい?」
「これからおばあちゃんの家に行くのよ。」
狼はこの話を聞き、あることを思いつきました。
「赤ずきん赤ずきん、お見舞いに行くならお花がいるよ。
あっちにたくさん花が咲いているんだ。摘みに行きなよ」
「良いわよ別に。
お花ならおばあちゃんの家にたくさん咲いているわ。」
赤ずきんは、早くおばあさんの家に行きたいのに執拗に絡んでくる狼に対し苛立ちを覚えていたのです。
赤ずきんはしつこい男が大嫌いなのです。
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