月の詠

□先
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ねえ 本当はずっとずっと知ってたよ
その笑顔の陰に数え切れない涙があった事
何かの犠牲なしに得られるものは何もないね
何処に繋がっているのかわからない道
臆病になてもいいよ
進み続ける事だけが強さじゃない
時には立ち止まって考えるのも大切だよ
焦らなくても大丈夫
先が見えなくて不安になるのは誰でも同じ
僕はずっと待ってる
約束のこの場所で
桜吹雪の中に君の姿がある事を
あの時と同じ希望に満ちた瞳が
きっとこの世界を照らしてくれる


ねえ 本当はずっと前から気付いてたよ
僕達はいつの間に飛べない鳥になってしまったのかな
大切な何かをあの頃に忘れてきた気がする
立ち止まるには少し遅すぎたみたい
何時(いつ)から夢を見なくなった?
何もしないで諦めたのはどうして?
永遠などないのだときっと気付いてしまったから
震えた掌
暖めてくれたその手はもうずっと前からいない
昨日夢を見たよ
とても懐かしくて
まだここにいる僕を君が叱る そんな夢
見上げた空はあの頃と同じで
悲しい程にその色は美しかった



もう縋るべきじゃないのかな
ここから先へ進まなければいけないんだね
確かにこの場所は
あの頃と何も変ってないけれど
何かを得て 何かを失って
あの頃の僕達はもう何処にもいない

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