10/16の日記

12:53
とある日の休日の過ごし方
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今、とある新宿の公園でひなたぼっこがてら昼食を摂っている。
今日は知人に仕事の手伝いを頼まれて、本業の貴重な休みの時間を割いて、朝8時に現地へ来た。 わが地元から新宿へは電車で一本とアクセスはいいものの1時間近くの時間を要する。この所要時間を遠いと取るのか近いと取るのかは個人差が生じる。私的な結論は「遠いとしか感じない」である。1時間の移動距離を億劫に感じているわけでは決してない。2〜3時間ぐらいなら、まだまだ範疇である。
わが地元は、田舎ないし都会ないしといったところが自己評価になる。ところが、生粋の江戸っ子から言わせれば超田舎者になり、わが県民の大半は超の域は超えないまでも同様の認識である。視点を変えて、さらに都心より遡っている隣接県だと認識が90°変化する。さらに遡るともう90°変化して、都会人扱いと化すのである。
見方というのは角度によって対極に映るから不思議であり実に面白い。
都心はとにかく人口密度が濃すぎだ。それだけが唯一無二にして、足を遠ざける最大の要因なのである。都心に足を運ばなきゃならないときは腰が重く疲れやすい為に移動時間1時間が億劫に感じてしまう。反対に田舎や自然に足を向けるときは、軽快で移動時間などは二の次である。要は気持ち的な部分が大きいということだ。

実は今日の記事は前述した内容を書きたかったわけではない、序章からだいぶ脱線してしまった。話しの本筋は、今まさに僕の目の前にいるホームレスについてだ。
たくさんのホームレスといわれている人達が所狭しと縦長の公園に点在している。縦の長さが約100b程あるとはいえ、おおよそ30人ぐらいが段ボールテントを構え路上生活を送っているようだ。辺りを見渡す限り、男性がほとんどだ。
東京、横浜あたりを歩いていると出くわすホームレスも9割方が男性のように思う。時に女性のホームレスを見かけることもあるが。

なぜ男性ホームレスが圧倒的に多いのか。

失業し居住を失った、膨大な借金を背負っての経済苦など経済的背景があるのだろう。
ギャンブル・浮気・アルコールなどで家庭崩壊を招き、人生の路頭に迷い路上生活に身を置いたというような個人的背景も存在するのだろう。
でもなぜ男性ばかり…、以前から気になるところではあった。

生活保護は男性に冷たい側面をもつ実情がある。僕の知人から聞いた話しだが、失業して住居を失った男性が生活保護を申請したが通らなかった。担当者は「稼働能力あり」と判断したのだ。つまり現役世代の男性を社会的に弱者扱いとしないのが通例となっている。(一部を除いて)

では女性ホームレスはなぜ少ないのか。
都道府県により設置される婦人保護施設や民間の駆け込み寺(女性団体のシェルター)などの社会環境が整備されていること等が要因だろう。
そして発展途上国に多い、ストリートチルドレンと呼ばれる子供達を日本で見かけることはまずないと思うが、それは児童福祉施設などの受け入れ施設が整備されていることが一役を駆っている。

男性にとって男女差別意識のある社会環境が、男性の路上生活者を多く出し、男性自殺者が圧倒的に多い世の中を作り出しているのかもしれない。
男女平等と騒がれていた時代を懐かく感じる今日この頃。社会的に女性が差別を受けていたのは、どこへやら。一気に時代は変化しつつ、制度も社会環境も女性仕様になってきている。その中で社会的な男女意識だけが停滞したまま世に残っている。男性諸君にとって現世はねじれ社会といっても過言ではない。

人生のどん底とも捉らえられるホームレスだが、決して支援の手が及ばないわけではない。陰ながら福祉が支えていて、生活環境の底上げを企てているのだ。陽のあたらない場所ではあるが福祉が活躍しているのは同志として誇りに思う。ここに福祉の強さを感じる。

都会とかでよく見かけたことがあると思うが、ホームレスのような人々が雑誌を片手に販売している光景を目にしたことはないだろうか。どこからか拾ってきたものを安く販売しているのかと以前は思っていた。(一部のホームレスの中には拾った雑誌を販売している)
しかし雑誌の表紙をよ〜く眺めてみると見聞きしたことのないタイトルが書かれているのである。自立を支援する事業の一環で、ホームレスの人々を販売者とする雑誌を発行することで、現金収入を得る機会を提供しているとのこと。
これでどれだけの人が自立して社会復帰できたかは定かではないが、自立支援の一環としては素晴らしい取り組みだ。もちろんこれだけが全てでなく、陽のあたらない所には無数もの福祉の手が存在している。
福祉の必要性、大切さ、偉大さを世間に知らしめる為にも我々社会福祉の専門家はたゆまぬ努力を重ねなければまだまだ認められそうにもない。現在、24年の介護保険改正に向けた議論が活発化しているが、介護従事者に対しての風あたりは変わらず冷たい。

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