並盛中学 校歌第2番

□私の先生
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いつも応接室にやってくる名無しさんが最近来ないので理由を聞くと決まって

『日曜日まで内緒なの!』

と楽しそうに言うので深くは追求しなかった。







日曜日

僕とのデートに何かを考えてる。

実際気になるけど・・そこまで野暮じゃないよ





あんなに楽しいそうにしてるのが僕の為なんだと思ったら気分は悪くない。





じゃあ楽しみにしてようかな・・・




雲雀は上機嫌に風紀委員の仕事に手を付け始めた。



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「そう、こうやって角を削ってあげると味が中までよーく染み込むのよ。煮崩れもしにくいし。これが面取り。」



『なるほど〜』



台所で二人は楽しそうに包丁と大根を握っている。


名無しさんは弥生に用意してもらったエプロンを付け、着物の弥生は割烹着を身に付けている。

小さな料理教室だった。




「それに今日は柚子を隠し味にいれましょう♪ほら、いい香りでしょ?」


『うん!すごくいい香り・・』



弥生が柚子の皮を少し切り手のひらに乗せると名無しさんに近づける。


素直にその香りを確認した名無しさんはクンクンと鼻を動かした。



そんな名無しさんを見て弥生は優しく微笑みかける。




「やっぱり女の子はいいわねぇ・・。」


『え?』


「おばさん夢だったの。こうして娘と料理するの・・。おばさんの所は男の子しかいなくてね。」


『息子さん・・?』



「そう。でも家を出て今は別の所で暮らしてるわ。顔はいいんだけどいまいちノリが悪いのよ・・。お料理の感想も言ってくれないし滅多に笑わないし・・」



「かわいくないわ」と言う弥生を見て名無しさんは羨ましく思った。
だってそう言いながらも弥生の顔は優しく子どもを愛しているのが伝わる。



『私も・・・ママとこんな風に過ごしてみたかったなぁ・・』


「・・・名無しさんちゃん・・。お母さんは?」




少し寂しそうに微笑みながら名無しさんは話す。



『ずっと昔に死んじゃったの・・。だから私も夢だった・・。ありがとう、弥生さん!!』






すると弥生は目に涙を浮かべて名無しさんをギュッと抱きしめる。



「こんなかわいい子を残してお母さんはさぞ残念でしょうね・・。でもきっと安心なさっているわ。こんなにいい子に育っているんですもの・・。」




抱きしめられながら名無しさんは涙が零れそうだった。



だって本当はきっと安心なんかしてない。

マフィアと手を組み、時には敵に回して名字として生きる自分を誇れる訳ない。




でも・・・


弥生の言葉が嬉しくて・・・







そっと弥生が体を離すと眩しい笑顔で話す。



「ねぇ、私の事を二番目のお母さんだと思って・・」



『・・え?』



「どうしてかしら・・・。名無しさんちゃんの事、放っておけないのよ。甘やかしたくなっちゃうの。ね?」





名無しさんは驚きながらも大きく頷くと小さな声で恥ずかしいそうに呟く。



『ありがと・・。弥生さん、・・・もう一度だけ・・、抱きしめてもらっていい・・?』





快諾した弥生に甘えて抱きついて名無しさんついて目を閉じそっと心の中だけで呟いた。








・・・ママ・・・・・・
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