並盛中学 校歌第2番

□私の先生
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『弥生さん、お料理の先生なの!?』




強引に連れられた喫茶店で困惑していた名無しさんだったが落ち着いた物腰と何故か安心するその人柄にすっかりリラックスしくつろいでいた。



女性は弥生と名乗りすぐに親愛を込めて名無しさんちゃんと呼んだ。




「先生だなんて大それたものじゃないわよ。趣味でお教えしてるだけ。」



そう言って謙遜する弥生に名無しさんはますます尊敬の眼差しを向けた。




「ところで名無しさんちゃんは何を作りたいの?おばさんが教えてあげちゃう♪」




『;まだ決めてなくて・・。今度の日曜日に・・その大好きな人とデートするから驚かせたいんだけど内緒だから何が好きとか聞けないの・・・』



ティースプーンをカップの中でしきりに回し名無しさんは顔を真っ赤にして話す。




「///やっぱり可愛ぃわ!!」



弥生はキャーキャーとはしゃぐ。

また照れる名無しさんはやっぱり弥生のツボなだけで・・・




弥生はかなりの美形フェチだった;




『和食が好きなのは知ってるんだけど私イタリアに住んでたから和食は苦手で悩んでたの・・』



「まぁ素敵!イタリアに?お料理が美味しい国ね♪」


『うん♪パスタとリゾットは得意!!』




はにかんで話す名無しさんに弥生は優しく頷いて話を聞く。




「その恋人は幸せね。こんなに可愛い名無しさんちゃんが一生懸命その人の為に悩んでるんだから!」




『そうかなぁ・・私、いつも迷惑掛けてばっかりで。・・だからお礼も兼ねて頑張りたいの!』



「もぅ!本当に可愛いわね!!おばさんますます名無しさんちゃんの応援しちゃう!」






偶然今日出会ったばかりの二人はづぐに打ち解けておしゃべりに花が咲いた。


しかしこの時は分かっていなかった。

二人はいずれ出会う運命だった事を・・・。



「ねぇ、おばさんどこかで貴方に会った事あるかしら・・・?」


『え?ないよ・・。』



「そうよね・・。でも初めてな気がしないのよ・・。」


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「ここよ。」


『うわぁ・・!!』



また強引に弥生に連れ出された名無しさんは弥生の家の前で簡単の声を上げる。


弥生の家は長い塀に囲まれていてどかっと大きな門を構えている。

伝統的な日本家屋だがグレードは一般の比では無かった。




『弥生さんのお家って・・・お寺・・?』


写真で日本の京都を見た事がある名無しさんは日本文化に出会い感動していた。



「あら、違うわよ♪ただ古いだけ!さぁ入って!!」


そう言って招き入れられた名無しさんはずっと興味深そうに周りをキョロキョロ見ていた。




『日本庭園!!』


門を抜けるとそこには立派な日本庭園が広がる。

隅々まで手入れが行き届いており、季節の花で彩られ、池には美しい錦鯉が泳いでいた。



「ウフフ♪この庭はおばさんも気に入ってるの!」



弥生は嬉しそうに笑った。





「おかえりなさいませ、奥様。」


玄関に入るなりスーツを着た上品な初老の男性が深々と頭を下げる。



「ただいま戻りました。」


「おや、そちらのお嬢さんは?」



状況に圧倒されていた向けられた視線に慌てて頭を下げて挨拶をする。


『初めまして!私、マリア名無しさんといいます!!』


「今日お友達になったの。丁重に御もてなしして下さい。」


「これは可愛らしいお嬢さんですね。いらっしゃいませ。」



そう言うと老人は名無しさんは丁寧に頭を下げる。


『こちらこそ!』



それに習うように名無しさんも頭を下げる。




「さぁこっちよ!」



名無しさんの手を引き弥生は楽しそうに家に上がらせる。

まるで同級生のように弥生は元気で若く感じる。



手を引っ張られながらも名無しさんは楽しそうに笑っていた。




・・・友達・・かぁ・・・//






そんな言葉に喜びを感じながら・・・
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