並盛中学 校歌第2番
□かくれんぼking!
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『終了まで2時間・・・丁度6時に終了だよね・・・』
名無しさんは木の上で腕時計を見る。
現在16:20
・・・もうみんな散らばってどこにいるか分からないよね・・・。
油断禁物♪
『Σ!おっと、マナーモードにしとかなきゃ♪』
携帯を出すとマナーモードにする。
するとすぐに着信。
???;
悩んだが後で怒られても嫌なので名無しさんは溜息をつきながら出る。
『恭弥・・・;ずるいよぉ・・』
「クス・・・でも出るんだ」
『だって出なかったら後で怖いもん・・;』
「分かってるんだ・・・。なら早くどこにいるのかも言いなよ」
『それは嫌!』
「名無しさん・・・後で覚えておいてね」
『Σ!!!・・・だって・・・;リボちゃんの景品は魅力的だし・・・;』
「ねぇ・・何をもらう約束したの?」
『言ったら貰えないのー;あっ・・・』
電話に夢中になりすぎてついつい声を大きくしてしまった名無しさんは木のすぐ下にいた山本に見つかってしまう。
「お♪こんな所にいたのか♪」
『やば・・;恭弥のせいで武に見つかったぁ・・・』
「!・・・名無しさん・・。捕まったら・・・咬み殺すよ」
『なんでーー!?・・・捕まらないけどね・・♪』
逃げるため携帯を切ると名無しさんは下を見る。
山本がスルスルと木を上ってきていた。
もう少しで名無しさんの位置まで来るという所で名無しさんはニコッと山本に笑いかける。
『武・・・ごめんね・・♪』
「え・・・あっ!!!」
名無しさんは向かいの教室の窓に飛び移ると丁寧に窓を閉め施錠する。
そして窓の向こうから山本に手を合わせて謝ると方向を変えてまた逃げていった。
初めから逃げ道を確保していた名無しさんの計画通りだった。
とは言ってもこんな距離を軽々飛べる名無しさんならではだが・・・。
「・・・はぁ・・;見事にやられたな・・。」
山本は3メートル以上離れた窓の向うを見ながら「これは俺でも無理だわ」と笑った。