黒曜中学 文化祭

□チョコレートに愛を乗せて
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クフフ。


なかなか上出来ですね。



名無しさんは驚くでしょうか?

感動して泣いてしまうかも知れませんね・・♪



明日はバレンタイン。

僕がこんな俗世間のイベントに参加する事になるとは思ってもいなかった。



でも明日は大切な人への気持ちを表す日ですから・・・

これは黙ってはいられません!





名無しさんの事だから色々な人に配るんでしょうね・・


でも僕は君だけに。




僕の気持ちは君にだけ渡しますよ・・




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2月14日
バレンタインデー当日



「おはようござーます・・・」


「・・・骸様・・?」





犬は大あくびをしてポリポリと背中を掻きながら、千種はすでに制服に着替えてリビングに集結した。


「おはようございます♪今日はいい天気ですね♪」




誰が見ても上機嫌の骸に2人は溜息をつく。


「骸さん・・もしかして貫徹ー?」


「クフフ♪やはり完璧な物を送りたいですからね!」



千種は無視して朝ごはんを作る為にキッチンに入っていった。



(骸さん・・凝り症なんらなぁー)





するとすぐにキッチンから明らかに怒っている千種が出てきた。



「骸様・・・あれ・・、なんですか?」


「はい?」


「ろうした?柿ピー。」





不思議に思った犬はキッチンを見て言葉を失う。




そこにあったのはガトーショコラを台座にした高さ50pはあるトリュフチョコのタワー・・・


とそれを中心に散らばるキッチンの惨状だった。



ココアパウダーが床にぶちまけられ、
チョコレートはあらゆる所で固まっている。
調理器具は出しっぱなしでキッチン全体にまだ甘い香りに支配されている。




当然朝ごはんがすぐに用意出来るような状況ではなかった。





怒っている千種に悪びれず骸は笑う。



「ああ、すみません。なかなかタワーのアングルが決まらなくて片付けはまだなんです♪」



そのまま鼻歌混じりに自室に着替えをしに行った骸に千種は静かに怒りながらキッチンに戻っていく。



「犬・・・、学校先行ってて・・・・」


「柿ピー、あのナッポーにやらすといいびょん・・;」
(らって、あれぜってー片付ける気なさそーらし;)


「いいよ・・・めんどい・・」
(どうせ最初からその予定だったんだろーし・・・)



二人は不思議な意志疎通をしながら溜息をつく。




キッチンの片付けに取り掛かった千種から頻繁に舌打ちを犬だけが聞いた。



「さて、いつ名無しさんを呼びましょうか♪」



「Σえ!渡すのに来てもらうんれすか!?」


「ええ。ちょっとテンション上がっちゃいまして大きくなり過ぎました♪持ち運ぶと崩れる危険があるので・・・」




名無しさんの予定など省みない骸は嬉しそうにメールを打っている。





「クフフ♪放課後すぐにうちに来て頂けるそうです。犬、今日は学校の後、並盛まで名無しさんを迎えに行って下さいね♪」



「へっ!?オレが行っていいんれすか?」



骸はニッコリ微笑みながら言った。



「はい♪折角ご招待するので僕は色々用意しなくては・・・」



ますます今日という日に命をかけている溜息をつく犬と千種だった。
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