並盛中学 文化祭
□君を一番理解してるのは・・・
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遠足は明後日。
楽しみにしていたのに名無しさんのテンションはすっかりさっきとは違いクールダウンだった。
「名無しさん、あんな学校馬鹿なんて気にすんな♪・・・八つ橋食うんだろう・・?」
完全に机に伏せて拗ね出した名無しさんに必死に元気付けようとするのは獄寺。
『八つ橋・・・』
「ああ♪それに柴漬けとか抹茶とか・・・京都を楽しもうぜ!!」
どうしてそこまで獄寺が日本通なのかはまた話すとして次々出て来る魅惑的な単語に名無しさんは少しづつ輝きを取り戻す。
『美味しいんだよね・・・?』
「ああ♪」
『日本の歴史の詰まった所なんだよね・・・?』
「おう♪日本に来たらやっぱり京都に行かねぇとな♪」
・・・・・・行きたい。
こんな楽しそうな話だけ聞いて恭弥の機嫌が悪くなるからなんて理由だけで・・・
行かないなんて我慢出来ない!
『絶対行く!!!』
またエンジンの入った名無しさんは
『恭弥なんて知らないもん!』
と拳を握る。
ツナやクラスメイトが恐ろしい事を言っている名無しさんに苦笑いをする。
獄寺だけは嬉しそうに微笑んでいた。
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ピピピ
[名無しさん・・。応接室に来て、今すぐ・・・]
名無しさんの携帯には恐怖の風紀委員長からの呼び出し。
いつもなら休み時間には雲雀の所に通っている名無しさんだったが
『宣戦布告だもん!』
とその日課を怠っていた。
「名無しさん・・・ほっとけよ?」
様子に気付いた獄寺は携帯を覗きながら言った。
しかし名無しさんは意気揚々と立ち上がり言った。
『ううん・・・。行ってくる・・!これは真剣勝負だもん・・』
そう言って名無しさんはドシドシ足音を立てて雲雀の元へ向かうべく教室を後にした・・
「チッ・・・行かなくてもいいのに・・・」
不満げな獄寺は頬杖を付きながら悪態をつく。
「なんだかんだで・・結局名無しさんって行っちまうのな;」
「名無しさんがあんなだからあの学校馬鹿が付け上がるんだよ!だいたいあいつの束縛はガキなんだっ!!」
興奮する獄寺をツナは宥める。
「雲雀さん、心配なんじゃない;?・・・名無しさんちゃんって危なっかしいし・・;」
「でも遠足ですよ!?・・・オレや10代目がいるのに心配なんていりません!!」
「いや・・男が心配なんじゃね・・;?」
いつからかブチ切れている獄寺にツナも山本も苦笑いするのだった・・。