黒曜中学 校歌第2番

□骸、その心
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『今日は犬ちゃんやチーちゃんは?』



「2人は家でそれぞれ日曜日中です♪」



『そうなんだ♪・・・ねぇ。骸はいつも日曜日何してるの?』



「僕ですか・・?・・・・・そうですね・・。本を読んだり、犬を苛めたり、調べ物をしたり、犬を苛めたりですかね・・・♪」



『・・・犬ちゃん可哀相・・;』







特に気持ちも無くカタログをペラペラ捲る名無しさんは骸の話にクスクスを笑う。



そのくすぐったい振動が抱きしめた骸にも伝わりホッコリした気持ちになる。








そっと名無しさんの肩に顔を埋める。

名無しさんは特に気にせずそれを許した。




日曜の名無しさんはゆったりした麻のパンツにコットンの白いシャツを羽織っている。



髪はゆったりと上げられお団子にされていた。


その為露になった首筋には骸の青い髪が当たる。










『フフ♪・・・骸、くすぐったいよ♪』









さっきより近づいた声に骸は嫌でも胸が高鳴ってしまう。








これって・・・トキメキですよね・・;


クハっ!!この僕がこんな幼稚な感情に溺れる日が来るなんて・・・




でも悪くありません・・。


きっと僕は今幸せだから・・・・
















「名無しさんー!」



『ん?なぁに?♪』








ギュッと子どもの様にしがみ付いてきた骸に名無しさんは少し驚いたがコロコロ笑う。








『どうしたの?なんだか甘えん坊さんだね♪』



「・・・///」









まるで母親のように名無しさんは骸の頭を撫でる。


骸は分かっていた。



名無しさんがこうして自分に警戒なく触れて優しく笑うのは自分を男として見てはいないから・・・



かつては自分もそうだった。



人を好きになるという事を本や俗世間で目にして理論的には理解していたが自分の中には存在しないと思っていた。





しかし名無しさんに気付けば夢中で・・




小さい頃から可愛いと思っていた。


最初は同情だったかも知れない。

犬や千種に抱く感情に酷似していた気もする。




しかしいつからか自分によって名無しさんが笑顔になる事に喜びを感じていて、

もっと笑顔を見たいと思った。






久し振りに会ってもそう思わせて笑顔はそのままで懐かしい感情が蘇る。


そして更にあの頃より成長した自分は嫉妬もし、欲情もした。




そして知った。




名無しさんが好き・・・・










「名無しさん・・。僕は・・・」



『ん?どうしたぁー?♪』







君はあの頃の僕です・・。


知識はあっても決して自分の中にはそんな感情はないと信じている。



でもね、名無しさん。




ないんじゃないんですよ・・




この感情は与えられるものなんです。


僕は君の与えられた。




だから君には僕が・・・










黙ってただ抱きしめる骸に名無しさんは何故か緊張してしまう。


そしてその感情を理解しないまま誤魔化すように話す。











『骸。・・・なんだかドキドキしてきちゃったから//離して//♪』








照れたように笑う名無しさんに骸は首筋に口付けをする。










ゆっくり・・・


そうゆっくり・・・。






落として見せます♪


君を僕のものに・・・・








名無しさん、知ってますか・・?



人を好きになるって・・・案外楽しくて



幸せですよ・・・♪










fin
→オマケ
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