黒曜中学 校歌第1番

□作成中
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[開幕の朝]



「名無しさん・・名無しさん・・・?」



『ん・・・』





優しい声に名無しさんは心地良さから目の前の胸を摺り寄せる。


しかしその声は気持ちとは裏腹に名無しさんにこれ以上睡眠を与える訳にはいかなかった。






「ボンゴレの増援が集まり始めましたよ。」



名無しさんがバチッと目を覚ましたのは言うまでもない。





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昨日の晩、骸に窘められ急遽作戦を一瞬で変更した名無しさんはボンゴレの人員の待つ場所へ向かうべく車中にて電話をしていた。





『おじいちゃん、本当にごめんね;出来る限り安全な作戦を取るつもり。』



本当に申し訳なさ気に話す名無しさんの頭を骸は優しく撫でていた。





・・・寝癖さえ可愛いですね・・♪




「気にすることはないよ。頼ってくて私は嬉しい。それに一般市民を巻き込んだとあってはボンゴレも黙ってはいられないからね。」



『おじいちゃん・・・』






名無しさんの作戦は至ってシンプルだった。

真っ向勝負。



人質の解放の代わりにマリアが囮になる。そのやり取りを正当に行う為に証人になる人員が必要だった。それがマフィアのやる方である。



電話が終わり、名無しさんは骸にそっと微笑む。





『ごめんね。絶対守るから・・・みんなを。』




そう言った名無しさんの目は力強かった。




「おやおや・・・僕が守るんですよ?」




骸のそんな言葉に名無しさんは心が温かくなるようだった。



そんな二人を見ながらリボーンは二人の周りを取り巻く温かい空気の変化に気付いていた。





でも・・・今はそれどころじゃねぇな。







「作戦に抜かりはねぇ。行くぞ。」




『うん!』




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探知機の示す場所に名無しさんは使いを出し、正式な交換条件として人質解放を願い出た。


そしてその場所へと向かっている。




何台ものボンゴレファミリーを乗せた車がそこへ向かう。






−−−マリアとマルコの父の交換−−−





名無しさんは祈るような気持ちだった。



治せる段階であるように・・・


これ以上マルコを悲しませないように・・・





車からマリアが降りる。



選ばれた場所は何もない病院の跡地だった。

少し前にマフィア同士の抗争で爆破事件のあったらしい病院だった。




マリアの遠く後ろにはボンゴレファミリーが、
マルコの父親ロバートとそれを抑える大柄な男二人の後ろにはロヴェッティーファミリーが緊張感を持ちながら立っていた。



「この男をそちらに渡して、マリアをこちらに・・・。本当にそれでいいんだな?」




ロヴェッティーの言葉に答えたのは凛としたマリアだった。




『えぇ。あなた達は欲しいのは私でしょ?その人はボンゴレの研究員の人達がなんとしても治すわ。』




ロヴェッティー側から小さく笑いが漏れる。
それは無駄だと笑うように・・・



しかしマリアは動揺せずに自ら歩き出す。


手を上に上げ無抵抗に。




そしてロヴェッティーの代表者の前まで行くと力強い目で言った。



『あの人を・・ボンゴレに・・・』



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