黒曜中学 校歌第1番
□記憶のカケラ
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天気の良い昼休み。
並盛の校舎の屋上では名無しさんの『天気いいから外で食べよ♪』の提案によりお弁当を持ち寄り輪になっていた。
「だからどうしてお前がいるんだよっ!!」
ツナの突っ込むも気にせずリボーンは自家製エスプレッソをたてていた。
『まあまあ、リボちゃんは私とお弁当分けようね♪』
リボーンにはとことん甘い名無しさん。
「名無しさんって自分でお弁当作ってるのか?」
購買で買った焼きそばパンを噛りながら山本が尋ねると照れたように笑い頷いた。
『お料理好きなのっ//♪』
その笑顔に顔を赤らめる3人と気にせず玉子焼きを食べるリボーン。
「うめぇーぞ。オレの愛人としては合格だな。」
「Σ!!なっ!!」
一気に青ざめるツナに気付かず名無しさんは照れながらお礼を言った。
『あ、そうだ。昨日ね、骸の友達の犬ちゃんとチーちゃんに会ったの♪』
ツナ、獄寺は同時に吹き出す。
「Σなにぃ!!名無しさん、お前何も無かったか!?」
「Σどこで!?」
慌てる二人を抑えながら名無しさんは必死に弁明する。
『大丈夫だよ;!!スーパーで会って少しお話しただけで二人ともいい子だったよ?』
黒曜トリオと仲が良くない事を思い出し名無しさんは必死に3人のいい所を伝え弁護するがツナ達の顔は心配そのものだった。
『なんか骸が体調悪いみたいでね、二人ともすごく心配してた・・・』
「骸が?」
『うん・・この前助けてくれた日から様子が変なんだって・・』
心辺りのあるリボーンは小さく溜め息をついた。
心配そうな名無しさんはもって一同を驚かせる。
『私ね、お見舞いに行こうと思うの・・』
「「「Σ!!!」」」
ようやくリボーンが口を開いた。
「必要ねぇぞ。病気じゃねぇ・・・バカなだけだ。」
おそらく初めての恋をする自分に混乱してるんだろう・・・
『リボちゃん何か知ってるの!?』
「・・・罪な女だな、名無しさん。」
ニヤッと笑うリボーンに名無しさんは首を傾げるだけだった。
やっとフリーズを溶いた3人は真剣に名無しさんを止める。
「駄目だよ!名無しさんちゃん!!!わざわざ自分から行っちゃ!!」
「俺も・・行かない方がいいと思うぜ・・」
「何されるかわからねぇぞっ!!」
『??何って・・何?骸は私を狙ってる人じゃないのに何するの?』
悲しそうな不思議そうな顔をする名無しさんに3人は答えに困ってしまう。
(なにって・・・)
(奴も男だし・・・)
(あんな事や・・こんな事・・・)
勝手に想像し下を向きながら赤くなる3人に名無しさんはますます首を傾げるのだった。
・・・甘いな・・
リボーンだけが笑いながらエスプレッソを啜った。