並盛中学 校歌第2番

□パジャマと鍵
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[Zn(NH3)4]2+、テトラアンミン亜鉛イオン・・

KCIO4、過塩素酸カリウム・・

PbCro4、クロム酸鉛・・

BaCrO4、クロム酸バリウム・・・・




あと・・・なんだっけ・・・・



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ピピピ





『ん・・・;』






名無しさんは靄のかかる思考の中から音の発生源に触れるべく手を伸ばす。





・・眠い・・

私・・・まだ・・・・・







しかし止まない携帯に名無しさんは半分、いや半分以上夢の中から携帯に出る。






『んーーー;』



「名無しさん・・?まだ寝てるの・・・?」



『恭弥ぁーーー;』






こしこしと目を擦ってみるが目は覚めない。


頭の中はまだ変な羅列が支配する。





「開けてくれる?」



『はぁーい・・・』





言われるがまま名無しさんはのそのそと起き上がりベットからタオルケットを引きずったまま玄関に向かう。







ペタペタスリッパも履かず名無しさんはゆっくりとした足取りで玄関に着くと鍵を開ける。








MgCI(OH)、塩化水酸化マグネシウム・・


FeSO4.7H2O・・・あれ・・・?





ガチャ





「名無しさん・・・」




『あれ・・・・』







開いて雲雀を見ても名無しさんは何かを思い出せずポヤ−っとしている。


雲雀は気の抜けて心あらずな名無しさんを不思議に思いながら部屋に入る。




「名無しさん。・・・寝ぼけてるの?」



『・・・硫酸鉄・・・』



「え・・・?」



『なんだっけー;・・・思い出せない;・・・化学式・・・・;;』




「なんの?」






雲雀は名無しさんがふわふわと寝ぼけている事を確信し覚束無い足取りに名無しさんが転ばないよう気を使いながら部屋に入って行く。



少し長いTシャツしか着ていない名無しさんは普段なら絶対恥ずかしがる格好をしているのに思い出せない化学式に唸り声を上げている。






・・・名無しさんって足キレイだな・・・




密かにそんな事を思った雲雀は目が覚めた時の名無しさんを想像して笑う。





『硫酸鉄七水和物・・・ってFe・・』



「FeSO4.7H2Oだよ・・」






ベットにつき雲雀に座らされて名無しさんはようやく雲雀をパッと見た。


寝ぼけていた名無しさんはずっと湧いてくる羅列を夢の中で反芻していた。




それが突然自分以外の人から答えが返ってきたから少し目が覚める。




『FeSO4.7H2O・・・そうだ♪FeSO4.7H2O、硫酸鉄七水和物!!思い出したー!!』



「クス・・・良かったね・・・」







すんなり答えた雲雀。

さすがである・・・
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