並盛中学 校歌第1番

□開いた扉
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「名無しさんちゃん、今日来るかなぁ・・・。」


ツナは登校して教室を見回すが名無しさんの姿が見えずガッカリと溜息をつく。


「でももう退院したんだろ?」


「うん。昨日の内に家に帰ったってリボーンが言ってた。」



「獄寺は会ってねぇの?」


「あぁ?・・おう。今日念のためインターホン鳴らしたんだけど反応無くてな。」



「携帯も出ねぇし」とぼやきながら獄寺は机に突っ伏している。



「そういやあのガキは?ほらあの牛柄の・・・」



「ランボ?ああ・・元気だよ。大したケガもしてないし。ただ昨日名無しさんちゃんに会いたいってゴネて大変だったんだ;」





・・・リボーンに「うるせぇ」って絞められてたけど・・;;;



「そっか♪無事で良かったな♪」



「ツナ君!おはよう!」


明るい声に振り返るとそこにはニコニコ笑いながら挨拶する笹川京子がいた。


「あ・・おはよう。京子ちゃん・・・。」



・・・はぁ・・・。

京子ちゃんが挨拶してくれてるのに・・・

オレ今名無しさんちゃんの事ばっかり考えてる;;;



「ねぇツナ君。名無しさんちゃん具合悪いの?」


「え!?どうして?;;」



唐突な質問に3人は顔を合わせて驚く。




「さっき花ちゃんと見たの。名無しさんちゃん保健室に入って行く所だったよ?」



「「「えぇーー!!!」」」



三人の絶叫と急いで走っていく音だけが教室に残った。






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『みんなも恭弥みたいに怒ってるのかなぁ・・・;』


名無しさんは保健室でシャマルの入れたコーヒーを両手で持ちながら溜息をつく。



「大丈夫だって。かわいい名無しさんに怒る奴なんていないさ!」



変わらないシャマルの優しさに思わず笑いながら名無しさんはコーヒーを飲む。



『ねぇシャマル・・』


「ん?なんだ?」


『昨日リボちゃんがいってた事について考えてみたんだけどね・・・』



コーヒーから顔を上げて名無しさんは首を傾げる。


(Σ!か、かわいすぎる!!!)



『なんとなく分かってきた気もするんだけど・・・具体的に私はどうしたらいいのかなぁ・・・;』



抱きしめてしまいたい衝動を抑えながらシャマルはコホンと一つ咳払いをすると名無しさんの肩に手を置いた。



「まずは甘える事だな・・・」


『甘える・・?』


「ああ。お前は頑張り屋だからしんどくても言わないだろう?そこを誰かに頼ってみるんだ。」


『うーん;;;』


「それが難しいなら・・・そうだな・・。子猫や子犬が親や飼い主に甘えるのは分かるか?」


『うん。』


「それは心から信頼してるからだ。敵や知らない人にはそんな態度取らないだろ?」



『おぉ・・・なるほど・・。それをみんなが望んでるの?』


「まぁ・・男冥利に尽きるわな。」


『・・・それはよく分からないけど・・・』



私女の子だもん・・・と言った名無しさんは立ち上がって思い切って行動に移してみた。


『ありがとう♪シャマル!』


子どものように素直な名無しさんはシャマルに抱きつきながらお礼を言った。



「はぅ////」



『・・・これだけで嬉しい?;;』


シャマルはにやけながらコクコクと頷く。


『ちょ、ちょっとシャマル!!鼻血!!!!』







バタン





「「「名無しさん(ちゃん)!!!」」」



『ツナ!隼人!武!』



朝の挨拶をしたい所だが目の前のシャマルの鼻血を抑える事で精一杯の名無しさんにツナ達は肩の力が抜ける。


「なにしてんだ・・;?」

『隼人・・;シャマルがいきなり鼻血出しちゃって・・・。』


困っている名無しさんに近づくと獄寺はグイッと名無しさんを引っ張りシャマルに蹴りを入れる。


「朝から何興奮してんだ!この変態!!」


「誤解だ!!」



「教室行くか!」


『うん・・・シャマル・・またね。ありがとう。』



獄寺に引っ張られて名無しさんが心配そうに言うので仕方なくシャマルは微笑んで手を振る。









・・・もっとレクチャーしたかったな;;
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