並盛中学 校歌第1番
□守りたいもの
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温かい・・・
それにすごく気持ちいい・・・・
フフ♪
こんな気持ちいいのはどれくらいぶりだろう・・・
体も心も・・・幸せ・・・・・
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『ぅん・・・』
名無しさんはもぞっと布団の中で体を動かす。
『・・フフ♪・・・恭弥ぁ・・・・』
なんだか夢見てたみたい・・・
恭弥が出てきて、嬉しくて仕方がない夢・・・。
やんわり蘇ってくる記憶を辿りながら名無しさんは嬉しそうに少しゴツゴツした枕に頬を摺り寄せた。
その顔はどうしてもにやけてしまう。
「・・・おはよう」
『うん・・おはよ』
耳元で聞こえた声に疑問も持たずに名無しさんはまだ眠りの淵から夢心地で返事をする。
「名無しさん・・・?まだ寝ぼけてる?」
そう言ってまだ現実味のない名無しさんを抱き寄せると雲雀はそっとおでこにキスをした。
チュ
パチっと小さく目を開けた名無しさんは不思議そうに雲雀を見つめた。
・・・あれ?
夢じゃない・・・。
イタリアまで恭弥が迎えに来てくれて・・・
その後・・・
あれ;?・・・どうしたっけ?
!!!
ガバッと名無しさんは布団を剥いだ。
そこは紛れもない名無しさんの寝室。
もちろん日本の家である。
「クスクス」
完全に目が覚めパニックになっている名無しさんを見て雲雀は可笑しそうに笑う。
雲雀の腕枕に頭を乗せて名無しさんは目をパチパチとさせていた。
「もう起きたよね?」
『ぅん・・・;完全に・・・』
名無しさんは雲雀の方に向こうと体を回転させる。
雲雀はそれだけでは足らず自分の胸の中に名無しさんをスッポリ埋めてしまった。
「ちゃんと・・覚えてる?」
抱きしめられた名無しさんは体中に響く恭弥の声にドキドキしながら夢と同じ安心感をまた感じた。
『うん・・・恭弥が迎えに来てくれて・・・』
「名無しさん・・・寝ちゃったんだよ?」
『Σえ!?立ったまま!?』
「そう」
やだーっと恥ずかしかったのか名無しさんは雲雀のシャツをぎゅっと握りながら顔を赤らめた。
「・・・五日も寝てなかったんでしょ?・・・・赤ん坊に聞いた」
『うー・・・』
安心したらそのまま気持ちよくなって・・・寝ちゃったんだ・・・///
「だからそのまま日本に連れて帰ってきたんだよ」
ボンゴレの屋敷に着いて荷物を纏めている間もずっと雲雀のシャツを握る名無しさんの手を離さないように雲雀は始終名無しさんを離さなかった。
『・・な、なんだかとんだご迷惑を・・・;』
「クス♪いいよ・・・名無しさんの気持ちも聞けたしね」
『?・・・ぁ・・////』
思い出した名無しさんは顔を真っ赤にして雲雀を見上げた。
目が合ったのを合図に雲雀は体を回転させ名無しさんを下に組み敷いた。
『ゎわ!!・・恭弥?///』
息の詰まるような距離で雲雀は微笑んでいる。
その艶のある瞳に名無しさんは恥ずかしく、そして困惑したように目を大きく見開いた。
雲雀もまたその大きく開かれた瞳に吸い込まれそうに捕らわれる。
・・・綺麗・・
・・・綺麗だね・・・
「名無しさん・・・」
優しく囁くと雲雀は名無しさんの唇を奪う。
『!ぅ///』
ビクッと体を反応させながら名無しさんは雲雀に早い心臓の音がばれないように自分の胸の前で手を握った。
雲雀にゆっくり上唇と下唇の間を舐められ名無しさんは震わせながら唇を
少し開いた。
「ん・・・」
その一瞬を狙ったかのように雲雀は舌を侵入させると奥で震える名無しさんの舌を掬い取る。
『んぅ///!!』
まだ答え方の分からない名無しさんは驚いて舌を引っ込めてしまう。
「・・・クス♪・・名無しさん、舌出して?」
『??・・;こう?』
不安そうにチロっと真っ赤な舌を名無しさんが素直に出す。
そんな動作がいちいち雲雀にはかわいくて仕方が無い。
「いい子♪」
『ぅん!!!・・・ふゥ・・//』
出された舌を自分の舌を使って存分に絡める。
舌の裏を舐めるたび、
舌を甘噛みするたび、
名無しさんからは細く高い吐息が洩れる。
雲雀は指を名無しさんの髪に絡ませて撫でる。
名無しさんの指も雲雀に縋るように震えながらぎゅっと雲雀の服を握り締めた。
『ぁう・・・ンぅ//』
「ぅん・・・」
段々二人の息が上がっていく。
名無しさんの反応に雲雀は興奮した。
・・・甘い・・
クチュ
音を立てて唇を離すと名無しさんの唇との間に透明の線が引かれすぐに消える。
名無しさんは荒い呼吸をしながら目に涙を浮かべ、唇から繋がれた線を確認して真っ赤になりながらぎゅっと恥ずかしそうに目を閉じた。
・・・どうしよう;・・
恭弥とのキス・・すごく気持ちいい////
何か葛藤する名無しさんに雲雀は耳に唇を寄せて囁いた。
「名無しさん。・・・おかえり。」
恥ずかしそうにはにかんだ名無しさんも『ただいま』と囁いた。