並盛中学 文化祭

□飴玉の味
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「・・・・(ムスッ)」


『ウフフ♪可愛い・・・♪』





笑顔の名無しさんと対照的に雲雀はずっと不機嫌そうに腕を組みながらそっぽを向いていた。



−−−−−−−−−−−−−−−−



「持つよ」


『あー!ありがとう♪』



「名無しさんのご飯が食べたい」と言う雲雀の一言で名無しさんと雲雀は学校帰りにスーパーにいた。



重くなってきたカゴをスッと雲雀は名無しさんから取った。


名無しさんはニコッとお礼を言う。




スーパーでこの美男美女コンビに自然と周囲の目が集中する。



しかし二人は気にせず買い物を楽しんでいた。



『恭弥、しそは大丈夫?』


「うん。好き」


『よし!じゃあ今日は和風ハンバーグだ♪』




嬉しそうな名無しさんに雲雀も自然と微笑んでいた。



嬉しそうに食材を選ぶ名無しさんを見ていたら人が多い食品売り場も耐えれた。




突然名無しさんがしゃがんで何かを懸命に見つめていた。


そしてぱぁっと明るい笑顔を見せる。




『恭弥♪これって日本のいわゆるおふくろの味なんでしょ?』



「?」




嬉しそうに、そして自慢げに名無しさんが翳していたのは有名な某キャンディー。


マスコットの女の子が愛らしく舌を出している。



『テレビで見たの♪ママの味〜♪って!』



「・・・・・・・(プッ)」





やっと名無しさんの言葉を理解した雲雀は笑いを噛み殺した。


言葉を素直に吸収した名無しさんはそのキャンディーを日本の[おふくろの味]と認識してしまっていた。



『買っていい?』



「(クスクス)・・・いいよ」



『やったぁー!気になってたんだぁー♪』




嬉しそうに名無しさんは雲雀の持つカゴにそのキャンディー袋を入れた。



『恭弥はキャンディー好き?』



「・・・あんまり食べない」



『そうなんだ・・。じゃあ今日一緒に食べ「ランボさんもーーー!!」・・・!?』




突然会話に入ってきた子どもの声に名無しさんは驚いて振り返る。




そこには目をキラキラさせたランボがいた。



『ランボちゃん・・?』



「名無しさんーーー!!」


ドサッ
『ウッ;・・・』




ランボは嬉しそうにアタック同然で名無しさんに飛び付く。


途端に雲雀は不機嫌そうだった。



「名無しさんーー!ランボさんも飴玉食べる!」



『ランボちゃん・・。今日は一人・・?』


偶然会ったとはいえ名無しさんはランボが一人でスーパーにいる事が心配になり周りをキョロキョロした。



「一人だよ?」



『え?;ツナとかリボちゃんと一緒じゃないの・・?』



「Σグピッ・・;ラ、ランボさん、リボーンの鞄にジュースなんか零してないもん・・;;;」



『・・・・あぁ・・。(零したんだ・・・;)』




ランボがツナの家に帰りづらくなっている事が分かり笑ってしまう。


ランボは名無しさんと会えてよほど嬉しかったのか、それともリボーンの恐怖から逃げたかったのか名無しさんにしがみ付いたままだった。





「名無しさん・・。ランボさんお腹空いたぁ・・・。」



『・・・。ランボちゃん、家来る?』



「ちょ、名無しさん「行くーーーー♪」」



雲雀の声も虚しく大きなランボの返事の前には無力と化した。




『よしっ!じゃあ張り切ってハンバーグ作っちゃうよ♪』



「わぁーーい!ハンバーグ大好きだもんね♪」



『フフ♪』




ランボと手を繋ぎながら名無しさんは嬉しそうに歩き出す。




・・・僕は無視・・?


雲雀はかなりの不機嫌さのままその後を歩く。






『ねぇ、恭弥・・。なんか、パパとママみたいだね♪//』






振り返り様名無しさんがニッコリそんな可愛い事を言うので雲雀は仕方なくランボの乱入を許したのだった。




雲雀の完敗だった。
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