並盛中学 文化祭
□チョコレートに込める気持ち
1ページ/10ページ
−−−−−−−−−−−−−−−
どこ!?
一体どこ・・!?
『どこにいるの・・・。恭弥−−−−−!』
−−−−−−−−−−−−−−−−
今日は2月14日
バレンタインを知らなかった名無しさんはクラスメイトに教えてもらったその日からワクワクしながらその準備をしていた。
買出しに京子とハルと出掛け、昨日は夜遅くまで恭弥への(あとリボちゃんとかツナとか武とか隼人とか骸かチーちゃんとか犬ちゃんとか・・・以下省略)チョコレートを用意した。
包みを大切そうに抱きながら学校に登校した。
クラスでの挨拶もそこそこに鞄を置くと名無しさんはラッピングされた包みを持ち廊下を走って行く。
『あ!♪草壁さん!!』
応接室に向かう途中で風紀委員副委員長の草壁に会った。
「Σはっ;!!マリアさん!!・・・おはようございます。」
『おはようございます!!恭弥は応接室にいますか?』
草壁は動揺していた。
しかし気付かない名無しさんはニコニコしている。
困る草壁は小さく「知りません・・」とだけ言うと名無しさんはお礼を言って応接室へと向かった。
「マリアさん・・・。すみません!!!」
−−−−−−−−−−−−−−−−
応接室に着くと名無しさんは元気よくドアを開いた。
『恭弥ー!!!』
しかしいつもいるはずの部屋の主は不在だった。
『あれ・・;いないや・・』
いつも朝は大抵ここにいるのに・・・
見回りかな?
チャイムが鳴るまではしばらくある。
名無しさんは部屋で恭弥を待つ事にした。
・・恭弥喜ぶかなぁ。
ラッピングかなり可愛く出来たんだ♪
恭弥だけ特別製なんだよ!
応接室の部屋であれこれ考えては顔がにやけてしまう。
待ちながらそわそわ周りを見回す名無しさんは恭弥がいつも座る椅子で視線を止める。
恭弥、・・・遅いな・・・・
置いておこうかとも考えたがやっぱり自分の手で渡したい。
キーンコーンカーンコーン
『Σはっ!;やばい!授業始まる!!』
また休み時間に来ればいっか・・・
名無しさんは少し残念そうにいつも恭弥がいる椅子を振り返るとため息をついてから教室へと急いだ。
−−−−−−−−−−−−−−−−
『ごめんなさい!!マリア出席してます!!!』
完全にチャイムが鳴り終わっていたので名無しさんは教室を開けるなり大きな声で謝ると頭を下げる。
・・・・・・・
(あれ;私もしかして教室間違った;;)
何も反応がない教室を不信に思いそぉっと顔を上げる。
しかし教室を間違った訳ではなかった。
そこにはちゃんと見慣れたクラスメイトの顔がある。
ただいつもと違うのはみんなの表情。
どこか緊張している。
『あの・・・、みんなどうしたの・・・?;』
不安そうに名無しさんが言ったのではっとした様に教師が話し出す。
「ち、遅刻じゃないから早く席に着きなさい・・・ね?」
『?・・・はい。』
先生、なんで声裏返ってるんだろう・・・
首を傾げながら名無しさんは席に向かう。
その途中いつも笑いかけてくれるクラスメイトに違和感を感じる。
(気のせい・・?みんなが私と視線を合わさないようにしてる・・?)
決して気のせいでは無かった。
クラスメイトは必死に名無しさんから視線を逸らしていた。
『みんな・・・どうしたの?;』
しかし誰も答えない。
少し凹んでしまった名無しさんはショボーン肩を席に着いた。
しかしみんなが心の中で叫んでいた。
(「「「ごめんね、名無しさんちゃんっ(マリアさんっ)!!!!!!」」」)